家の売買って、パワー要るよなあ(萩市の古民家購入編)
2020.03.14
最終更新日:2020年09月07日
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。人生において、家の売買ってそんなに何度もやることじゃありませんよね。多い人でも一生に数回程度じゃないでしょうか。僕もマンションを買ったときに1回。そしていま、萩の古民家を購入するために2回めを経験しています。正直、バテますよね…。
遠隔地の家を買うって、たいへんです
山口県萩市に移住するための古民家、ようやく売買契約の締結までこぎ着けました。
あとは、ゴールデンウィークあたりに引き渡しを済ませて、ようやく僕がその家のオーナーになります。
以前投稿した「他人の趣味と向き合う ― 萩市の古民家を買うことにしました」でも触れたのですが、遠く離れた土地の家を買うのって思ってた以上にたいへんなことなのです。
僕は、地方自治体が運営している「空き家バンク」という制度を利用しました。
これって行政の役割は、売り主と買い主をマッチングさせるだけで、基本は個人売買なのですね。
なので、仲介業者に支払う手数料は発生しません。
よく「販売手数料:物件価格の3%+6万円(消費税がかかります)」とか書いてあるでしょ? これが不要なのです。ワリと大きなお金が浮くのです。
その代わり、重要事項説明(俗に言う「重説/じゅうせつ」ですね)もありません。
もちろん「この家を買う」と決めてから、仲介業者に入ってもらっても構わないのですが、僕たちはそのまま個人間で話を進めました。
もうね、関係者が増えてスケジュールの調整をするのに嫌気がさすのですよ…。
なんせ住んでる場所での物件探しではないので、限られた時間にバタバタっと話を進めますからね。
物件情報に関しては、自治体がそれぞれに工夫を凝らした「空き家バンク」とか「移住支援」といった名称でWebサイトを開設していますので、そこから「あれがいい、これステキ」などと言いながら目星を付けることになります。
そして、自治体の担当者に「この物件を内見したいです」と伝えると、市役所なり町役場から車で物件まで案内してくれます。
これ、非常に助かります。
市役所から何10kmも離れた旧郡部の物件であっても、連れて行ってくれるようです。
萩市の場合はそうでした。すべての自治体がそういうシステムかどうかは謎です。
「もしかして、離島も?」とも思ったのですが、それについては、聞きませんでした。
で、気に入った物件があれば「これ買いたい」と意思表示をすることで、自治体から売り主(オーナー)に話が行き、個人間協議が始まるのです。
ところが、まず「物件探し」が難関なのですよ。
僕の場合は、ずっと東京と萩市の二拠点生活をしていましたので、毎月2週間程度、萩市(=物件探しをする地)に滞在していましたので、恵まれていたほうだったと思います。
それでも、その2週間の間に気に入った物件に出会えないと、もしくは「これ買う」という決断できないと「東京に帰って考えます。ではまた来月に…」ということになるのですよ。
おそらく、多くの方は「まずは、賃貸でお試し移住を」というところから始めるのかもしれませんね…。
いきなり「さあ買うぞ!」と意気込んだ僕がダメなやつだっただけかもしれません。
もし、他の誰かに「自分も地方移住やりたい!」って相談を受けたら「まずは、賃貸で住んで見れば?」というアドバイスをしようと思います。
基本は個人売買
僕の場合もともと「古民家再生をDIYでやりたい」などと思っていたので、安くて古い家を探していました。
なので
- 木材がしっかりしている
- 数年前に合併浄化槽を更新している
- 屋根も葺き替えている
- シロアリチェックしている
- ちゃんと直角が出ている
などの条件で「うん、これでいい」と決めてしまいました。
いろいろなトレードオフはあったのですが「この値段だし、ベストなんか望むべくもないもんな…」と。
こうして、ようやく買いたい物件が決まると、オーナーさんとのコミュニケーションが始まります。
前項でも触れたように、基本は個人売買ですからね。
僕の場合、たまたま選んだ物件のオーナーさんが別荘として使っておられ、ちょうど僕の萩市滞在とオーナーさんが滞在されてる期間が合い、その間にコミュニケーションを取ることができたので助かりました。
やはり、実際に顔を合わせ「この人から家を買うのか」と思うことって、大切なのですよ。
だからこそ、僕は「自分が動けばいいや」と、仲介業者に依頼することなく、個人で進めることにしたんですけどね。
なにせ探していたのが「空き家」ですから、オーナーさんが遠隔地におられ、コミュニケーションが困難なケースも多そうなのですよ。高齢者である場合も多いでしょうしね。
二進も三進も行かなくなったら「途中からでも仲介業者に」ということになっていたかも知れません。
「田舎ならでは」なのか?
「田舎では、こいうの多いんですよね」というトラブルもありました。
自治体の担当者が不動産知識のある方で、状況を把握してくれていて、前もって知らせてくれ、かつ対処方法も分かっている方だったので助かったのです。
物件の建物登記がされていなかったのです。土地だけが登記されている状態ですね。
つまり、そのまま移転登記してしまった場合、後から建物の権利者を名乗る人が登場した場合、ややこしいことになるのです。
実際は想定しにくい状況ではありますが、不安は残るし、なんとなくしっくり来ませんよね。
念のため、法務局に行って登記簿を取り寄せてみると、(おそらく)前々オーナーの、しかも大正時代の「茅葺き木造住宅」が登記されていました…。
前オーナーが土地だけ移転登記して、建て替えをして建物登記してなかったんですね。
「田舎ではよくあるんですよ」ということでしたが、真偽は謎です。
ともあれ、事前に分かったことで、前もって司法書士に会い(どっちみち移転登記をお願いしますからね)、土地家屋調査士を手配してもらってコミュニケーションを取り「解決できる問題である」ことが分かったし、早めに動いてもらうことができて「まあヨカッタ」のだろうと思います。
予想外の出費ではありますけどね。「これも勉強だ」と思うことにしています。
たぶん、引き渡し後に「あれ? 建物が登記されてないよ」ってことになれば、軽くパニックになったかもしれません。
その重要性を僕が理解することができない(現に今回も「どういうこと?」ってなりました)し、なによりも「ふぅ、終わった」と肩の荷を下ろした後に「え、まだ終わってなかったの?」って、ちょっとキツいですもんね…。
こんな感じで、どうにかこうにか移住計画は進んでいます。
次は東京のマンションだ
タイトルに「売買」と書きました。また「(萩市の古民家購入編)」と付けました。
これで終わりではないのです。
実は、東京のマンションを売るために、仲介業者とのコミュニケーションをはじめたのですよ。
正直まだ、「売る」という決断をしたわけではなく、「貸す」ことも少し頭の中に残しています。
でも今回、萩の古民家を取得したことで「家の売買って、パワー要るよなあ」と、身にしみて思っています。
「貸す」を選択したとしても数年後、たとえば僕が後期高齢者になったころに「売る」を実行するパワーがあるのか? と。
どちらが得で、どちらが損なのかは、今後の情勢次第なので、今「あ〜でもない、こ〜でもない」言っても仕方のない問題なのだろうと思っています。
それよりも、ここで「売る」を選択して、
- 固定資産税から逃れ
- 管理費・修繕積立金から逃れ
- 設備等の更新義務から逃れ
- 金融資産化してポータビリティを確保
したほうがいいのかな? という気持ちが強まってきているのです。
なんとなく、そのうち「家の売買って、パワー要るよなあ(東京のマンション売却編)」という記事を書きそうな気もしています。
今回の「萩市の古民家編」も、いまいち書き足りていないので、こちらに関しても、追加記事を投稿するかもです。
まだ、引き渡しが終わったわけじゃありませんからね。
追記:2020年9月7日に「家の売買って、パワー要るよなあ(東京のマンション売却編) 」を投稿しました。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。