デザイナーって職業もカタチを変えていくのかもですね
2018.08.14
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。デザイナーって、昔っから属人性が高いっていうか「誰に担当してもらうのか、人によって変わっちゃうよね」って言われがちな職業ではあったと思うんですよね。有名な広告代理店だったり、大手制作会社はそのあたりをうまく担保してるっぽくはあるんですが…。
仕事の魅力に対する評価基準
僕の職業がデザイナーなので「デザイナーって仕事のあり方」みたいなのは、なんとなく考え続けてるんですよ。
こういう話を語る上で、前提にしておかなきゃいけないんですが、まず僕は、デザインに対する教育を受けていません。美大・芸大・美術系専門学校に通った経験がないってことですね。さらに、工学系の教育も受けていません。体育学部卒なんですよ、アスリート出身です。
広告代理店にも制作会社(プロダクション)にも勤務した経験はありません。
ちょっとカスった業務に携わったり、真似ごとをやったことは数限りなくありましたが、そののち「いきなりフリーランス」です。
モグリだしアウトサイダーなんですよ。
だけど、この20年、デザイン仕事でちゃんとメシ食ってるし、営業しなくても依頼来るし、マンション買ったりできてるし、まあデザイナーを名乗る資格を持つものの末席に座るくらいのことはできているかと思います。
なんとなくなんですけどね。デザイナーって有名なデザイン事務所や、大手広告代理店の制作部門に入ったりとか、大きな仕事を受注したりとか、なんちゃら賞をとったりして知名度上げていくのがキャリアアップの手法だと思うのですよ。
大きなクライアントとガッチリつながるってのもあるかもしれませんね。
サラリーマンデザイナーとフリーランスデザイナーで、ちょっとニュアンスは変わるのかもしれませんが、似たようなものだろうと思います。
どうしても「いい仕事」「悪い仕事」っていう評価をしちゃいますよね。自分の時間や労力(アイデアやセンスもかな?)には限りがありますから、その分配には気を配るもんなんですよ。
それが年々「大きい仕事が良くて小さな仕事は良くない」みたいな風潮は弱まってるのかな? という印象を持っています。
クライアントや求められているデザインとの向き合い方みたいな、より本質的なことを重要視するような人が増えているような気がするのです。
その方が快適だし、仕事しやすいんですよね。
仕事以外でのアウトプット
僕はフリーランスなので、特に思うのですが、サラリーマンデザイナーも基本、孤独ですよね。
延々と自問自答や脳内試行錯誤を繰り返したあとで、さらに見える形で同じことを繰り返す、そんな毎日ですもんね。
その過程で、いろんなことを学び、そして感じるんです。
どこかでそれらをダーっとアウトプットしたかったんですが、なかなかそれができる場がないんですよね。最終的にビジュアルに落とし込む仕事をしてるので、言語化するクセもついてないから、飲み会とかで語り始めても、変な感じになっちゃって、却ってフラストレーションを溜め込む羽目になっちゃったり。
そいうのを昇華するために「いい仕事」「大きな仕事」って自己評価が必要だったのかもしれません。
前述のように、僕が「大きい仕事が良くて小さな仕事は良くない」みたいな風潮は弱まってると感じるに至った背景には、ブログやSNSなど、技術の進歩があるんじゃないかな? と思っています。
すべてではないけれど、無縁ではないだろうと。
デザイナーが、仕事以外にアウトプットの機会を得たんですよ。
業務上の成果物だけじゃなくて「仕事論」「フリーランス論」「生き方論」みたいな、言語化しつつアウトプットするものも含めて。
これをやってると、結局「いい仕事・大きな仕事」よりも「快適な仕事・やりたいデザイン」に向かったほうが、楽しいんですよ。
「オレ、デザイナーでよかった」ってことが増えるんですよ。
「大手広告代理店」「有名デザイン事務所」「大きな仕事」「なんちゃら賞」よりも、快適な職業生活を求めるようになるのですね。
そして僕を含む、その中の何割かは「東京にいる必要ないか…」と思い始めるのです。
デザイン的思考・技術的思考・ビジネス的思考
「今は」「昔は」で区切られることでもないように思いますが、まあ、傾向として。
ビジネス、デザイン、テクノロジーを上手にバランスよく考えてる人が増えてやしませんかね? これも、とにかく、情報を得やすくなってるからだと思うんですよね。ネット技術の功績だと感じています。
あたりまえだけど、若手の方が顕著なのかな?
バランス感覚に優れたデザイナーや技術者が、ビジネス経験を積んで経営層に食い込んでくるようになると、もっと楽しい変化が起こりそうですよね。
「デザイン経営」とか「デザイン戦略」なんていいますが、これってデザイナー単体では難しくて、経営観点やビジネス的な感覚が絶対に必要なのですよ。とはいえ「デザイン的思考」が核になるのは間違いないんですね。
デザイン的思考がデザイナーのものだけじゃなく、技術者のものでもあり、経営者のものであるように、技術的思考も、ビジネス的思考もデザイナーのものでもあったりするのです。
だから「デザイン的思考・技術的思考・ビジネス的思考」のバランス感覚に優れた人の増殖は、とてもいい傾向だと思うのです。
僕がこう感じるのって、実際に現場にいる同業者たちと話してそう思うんじゃありませんよ。
むしろ、同業者のブログやSNSを読んで、見て、そう感じることが多いのです。ネット上でそういう発言をしている人たちも、実際の現場では、多くの人が求めるデザイナー像を演じてるのかもしれませんが、ネット上で本心だったり、カッコつけたい方向性が可視化されているのは、とても有益だと思うのです。
だから僕も「田舎で暮らしたいな」と思ったし「東京なんかにいる必要ないじゃん」とカッコつけたくなったので、こうしてブログに書いて実際に行動してみようと思うに至ったのです。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。