地方の人って、地方の人同士で仕事するのをイヤがってない?
2018.08.19
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。「最近、地方の業者すごく頑張ってるよね」で済ませればいい話だとは思うのですが、ちょっとだけ自分と重ね合わせてしまうのですよ。数日前に書いた記事がきっかけで、前から気づいてたモヤモヤに着火しちゃった感じがするので、ちょっと書いてみますね。
地方の業者ってすごく頑張ってますよね
自治体が強力に後押ししてるってのもあるんでしょうけど、地方の業者ってものすごく頑張ってますよね。特に食品関係が目につくのは、僕が偏ってるだけかもしれませんが、そう感じています。
どこの自治体も「自然」「海産物」「農作物」を売りにしているので、あながち間違ってるとも思いません。
それだけ、自然と食文化に恵まれた国土であることの証左ではあるんでしょうね。
僕が出資しているシンガポールの会社にも、日本の地方自治体や、地方業者からの問合せが頻繁にあるようですし、実際に展示会やイベントも多く開催されています。
結局ポシャっちゃったみたいですが、沖縄県と航空貨物会社と大手宅配会社が、那覇空港を拠点にシンガポールや香港に冷凍・冷蔵宅配便の配送網を作ろうとしてたこともありましたね。
僕の故郷の山口県では、山口銀行(と、どこか)が地域商社やまぐち株式会社という会社を設立して、山口県産品の国内都市部への販路拡大に取り組んでいます。
地域商社やまぐちウェブストアという、ネットショップも開設したようですが、今日現在、アクセス数は切ないことになっているもようです…。
参考:Ymtc-webstore.jp アナリティクス – マーケットシェア統計情報&トラフィックランキング
まだ、掲載されてる商品点数も少ないので、これからってところなんでしょうね。
僕は「自然薯あられふりかけ」食べたことありますけど、美味しかったですよ。
地方の人たちから「都市へ」「海外へ」という想いをすごく感じるのです。
東京でも、地方自治体や地方の協同組合が主催するイベント、ものすごく多いですもんね。
僕自身が「地方に移住したら」の話
先日投稿した「住む場所って、人生を左右しますよね」という記事で、
- 面白くて優秀な人は、都市に集まるから、楽しくて快適なグループを作りやすいですよ
- お金がいっぱいもらえる、イノベーティブな産業は都市に集積しますよ
みたいなことを書きながら思っていたことがあります。
僕自身は「地方に移住しても、そこでビジネスをすることはないだろうな」ということなんですね。
あくまでも、東京で今やってる仕事を完全リモートで継続するつもりだし、それ以外の請負も協業もやるつもりはないのです。事業規模は縮小します。だから「セミリタイア」なのです。
移住した地(僕の場合は山口県萩市)で、新しくビジネスを始めると、まずは単価の違いが壁になると思うのですね。そしてそれが原因で、人間関係もこじれると思うのです。人間関係に関しては「新しく参入する」時点でギクシャクは始まりそうですね。
狭い地域で、少ない仕事を少数業者で分け合ってる状態なのでしょうから仕方ないのです。「だから田舎は…」などと非難し始めてもどうにもならないことなのです。
「僕は加わりません」が最良の選択だと思うのですね。
東京の仕事で稼いで、萩市に税金を納め、萩市内で消費するのが一番いいんじゃないでしょうかね。
いちばん楽しく暮らせるような気がするのです。
安いことを喜ぶ人が増えてる印象なんです
コスト意識って大切ですよね。みんなジャブジャブお金を使えるわけないんですから。でも、何が何でも「安い」にこだわるのは、とても危険だと思うのです。
モノの値段が安いことを喜んでるヤツは、他人の賃金が安いことも喜んでるヤツなんですよね。それは、グルっとまわって、自分の賃金が安いことも許容せざるを得ないワケです。
前で触れたように、地方は「少ない仕事を少数業者で分け合ってる」状態でしょうし、高齢化で住民の所得が減り、購買力が下がる一方なので、どうしても「安いことを喜ぶ」人が多くなりますよね。
昨日投稿した「ギブ・アンド・テイクについて考え方を整理する」で触れた、「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」が増える土壌になりやすいのだと思います。
そういう場所でビジネスをするのは、とてもリスキーなことだと思うのです。
「地方のみんなは、毎日々々死に物狂いで頑張ってるのに、リスキーとは何だ!」みたいな話なんて端っからしてないのは、お分かりいただけますよね? 「そういう反応をしそうな人から、距離を取る方法を考えている人、僕だけじゃないですよね?」という話をしています。
街の外で稼いでくる
もう一度、僕自身の「地方に移住しても、そこでビジネスをすることはないだろうな」に戻るのですが、地方の業者の方々の「市場を求めて外に出る」「外に出て稼いでくる」という、とてもポジティブなワードの背景には「地方の人同士で商売するの、ツラい」みたいな感情ありませんかね?
僕は、そう考えたから「東京の仕事を萩でやる」を可能にする準備をしてきたのです。
たぶん地方の人は「地方の人同士で」という言葉は使ってないように思います。人間関係ギクシャクするのイヤですからね。
「古い考え方の人とはやりたくない」とか「誰々に商売を邪魔されてる」みたいな言い換えをしながら、仲間内ではないところに理由を作りつつ、意思を表明し合ってるんじゃないでしょうか。
都市部ならば、一緒に仕事をしたくない人は、サクっと拒否すれば済むんですよ。「業界でメシ食えないようにしてやる」的なことを言うバカは残ってるにせよ、そんな粋がりは偽物だってことはもうバレちゃってますから。
でも、地方の小さな街だとそんなわけにはいきませんよね。付き合いたくない人でも、常に目につく場所にいたりするもんなんですよね。自分のビジネスの自由が担保できないなんて、すごくイヤなことですもんね。
やっぱりみんな、
- 商品を高く買ってくれる人に売りたいですよね。
- 高い賃金を払ってくれる人と組みたいですよね。
- 優秀な人同士の輪の中に入りたいですよね。
- 革新的なビジネスのどこかに自分の席が欲しいですよね。
それらをひとつにまとめて「街の外で稼いでくる」って口にしてるんだと思います。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。