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平日の萩の街をブラブラと自転車移動してみた

2019.12.15

最終更新日:2020年07月29日

こんにちは、萩ドットライフ()です。

自転車を買って、萩の街をさしたる目的もなく何度かブラブラと自転車移動してみました。移動スピードが変わると、見えるものが変わりますよね。知ってると思いこんでいた街ではありますが、再発見できること、新しく気付くことがなかなか多いのです。

自転車を買いました

昨夜、東京の作業に移動してきました。
僕は東京と山口県萩市を行ったり来たりする二拠点生活をしているのです。

以前「田舎での行動範囲を広げるために、自転車を買おう」という記事を投稿したのですが、予定通り萩の作業場用に自転車を購入しました。

カッコよくもなんともない、ホームセンターが自社ブランドとして発売している、いわゆる軽快車(≒ママチャリ)です。
保険だの防犯登録だのを付けて、消費税を加えて2万円ちょいくらいのものです。

買ったはいいものの、置き場所に困るハメになりました。

僕が「萩の作業場」と呼んでいるところは、高校時代まで暮らしていた家(=実家)なのですが、当時自分の自転車を置いていた場所に置こうと思っていたのですよ。

ところが「以前、ここに置いてた甥っ子の自転車が盗まれた。そこじゃダメだ」などと母親と弟に主張され、他に都合のいい置き場もなく、家の構造物に固定するためのワイヤーを追加購入することで解決しました。

昔はカギもかけずに、ずっと家の前に置きっぱなしにしてたんですけどね。

これは、単純に「治安が悪くなった」とも言い切れず、確率の問題かと思います。
中学1年生のときに買って引っ越した家ですから、かつて僕がその家に住んでいたのは、中学・高校の6年間。その間に自転車盗難は0件。

僕が大学進学を機に家を出てから35年以上。その間に1件。

その1件を機に「自転車にカギかけただけじゃダメだ、道路から見えないところに移動するか固定しないと」というマインドに変わっちゃったということなんでしょうね。

まあ、この「置き場所」の話は本題ではないのです。

ちょっと新しい視点ができた

せっかく自転車を買ったので、何度か平日の昼間に萩市内をブラブラと移動してみました。
考えてみると、今までこんな体験をしたことなかったのですよ。

僕が萩で暮らしていた頃、平日の昼間は学校に行ってましたからね。

例外的に、授業は休んで、夕方近くになって部活の練習に参加するために自転車をこいで体育館に向ったことが何度かある程度でしょうか。それも決まったルートしか通りませんでしたしね。

ここ1年以上、二拠点生活を続けているわけですが、平日の昼間に出歩くことはほぼありませんでした。
あったとしても、バスやタクシーの中から「ぜんぜん人が歩いてないな」「車も少ないな」などという感想を持つ程度。

市役所とか商業施設とか、決まった場所にしか行きませんからね。
外出するのは早朝(朝ラン)か、夜(飲み会)に限られていたのですよ。

「自転車買って良かった」と思っています。

むかし知ってたはずの街、二拠点生活をによって記憶を取り戻し始めた街を、もうひとつ別の視点から再発見する体験ができたのですよ。

僕は「自転車に乗って感じる街」が好きなのです。
いま「東京の作業場」と呼んでいる江東区・清澄白河のマンションに越してきたときも、自転車で散策してました。当時は、仕事が忙しかったから「銀座方向に向いて15分走って、折り返したら別ルートで戻ってこよう」「今日は浅草方向だ」みたいな感じでしたけどね。

それに比べて今は無職なので暇だし、東京に比べて萩市は車も人も少ないし、テキトーに駐輪できるところも見つけやすいので、快適なのです。

もうちょっと温かい季節だともっと良かったんですけどね。

以前は「常に日常の中に、なにかしらを面白がる視点を持っていたいな」などと思っていたのですが、加齢とともに失ってましたね…。そういうものを思い出すことができました。

移動スピードが変わると、体験が変わる

移動スピードが関係あるのでしょうね。

自動車ならば気付きもしないか、気になる場所を発見しても「あ、なんかあった」と認識したときには通り過ぎてしまってるのです。
「ここ気になる、見たい」と思っても、駐車場探しが厄介だったりしますしね。

逆に徒歩の場合は、体力に限界がありますから「広い範囲を」「気の向くまま」という行動が取りにくいのです。どうしても目的地を決めてから動き始めますよね。
狭いエリアをゆっくりと見て回るのには徒歩が最適なんですけどね。

それが自転車だと、気の向くままにブラブラと走っていて「お、こんなところに旧跡っぽいところがある(萩は街中に名所旧跡の多い街なのです)」と思ったら、そのへんに駐輪して徒歩散策に変更しやすいですね。

この「ちょっと自転車停めよう。降りて歩こう」という行為を挟むことで対象への興味が増すのですよ。
さほど労力を要する行為ではないのですが「せっかく停めたのだから、じっくり観てみよう」というスイッチが入るんですね。

「ここの建物って、こんな名前が付いてるのか…。うん、なんか聞いたことあるな」などと思いながら掲示されている説明文を読み込んだり、その場でスマホでググってみたり、写真を撮ってみたり。

そうやって市内を回っていると「いろんなところに、ちゃんと名前が付いているものなのだなあ」と気付かされるのですよ。

当たり前っちゃあ当たり前のことなのですが「そっか、ここはこういう名前の場所なのか」と知っていくと、知ってたはずの街を再発見している気になって、ちょっと嬉しくなるものなのです。

全部を覚えているわけではありませんが「あそこってただの公園じゃなくて、誰々さんの誕生地なんだよな」というインプットができるだけで、ほんのちょっとだけ街の見方が変わるのですよ。

そういう表示や案内板は、僕が暮らしていた頃と比べて明らかにレベルアップしてますね。ということにも気付くのです。

街の様子も、徒歩で移動しているとき、タクシーやバスに乗ってるときと見え方が違ってきます。

「閑散とした街だと思っていたけれど、意外と車多いぞ」とか「なんだ、この車の停め方。あ、お婆さんか、老人ドライバー多いな」とか「この地区、新築の家が多いな」とかとか。

人って普段は周囲のことに対して、さほど関心を持っていないものなのですよ。
それが自分にちょっとした変化を与えるだけで、急に視界に入ってきたりするものなのですね。

おそらく萩市に移住して、自分で車を運転し始めると、また違った気付きがあるのだろうと思いますし、移住後も自転車移動を続けたいと思っています。

この「移動スピードが変わると、見えるものが変わる」という体験。僕にとって初めてなわけないはずなのですが、改めて再認識できたような気がして嬉しいのです。

ただ、萩の街は歩車分離されてないところや、柵や溝蓋のない水路が多かったして、危ないですね。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。