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人は、見たいものを見ようとする

2020.02.10

こんにちは、萩ドットライフ()です。

何をイメージして暮らすかで、人生は変るのです。楽しいものをイメージしていれば、楽しいものが優先的に目に入ってきて「自分は楽しい世界で暮らしてるなあ」と感じられるし、当然、その逆もありえるのです。人は、見たいものを見ようとするのです。

カラーバス効果って、ご存知ですか?

東京と山口県萩市を行ったり来たりの二拠点生活をしている僕は、いま萩市に滞在しています。

昨日投稿した「他人の趣味と向き合う ― 萩市の古民家を買うことにしました」でも触れているように、以前から希望していた萩市への完全移住計画も少しずつ動き出しています。

もともとは「都会で暮らし、多くの人々から刺激を受けたい」「何もない田舎で暮らすなんてまっぴらだ」などと思いながら、高校卒業まで生まれ育った萩を後にして、東京で暮らし始めたのですが、50代半ばを過ぎた今は「東京には飽きたし疲れた」「生まれた街・萩でもう一度ゆったりと暮らしたい」などと思っているのです。

「今さら」ではありますが、そう思ってしまっているので仕方ないのです。

僕にとって萩という街が

  • 「ただの帰省先」だった頃
  • 二拠点生活の一方の拠点だった頃
  • 完全移住の計画が具体化してきた今

それぞれにおいて街の見え方が変わってきているのです。

「カラーバス効果」という言葉を聞いたことがあります。
大雑把にいうと、人は意識しているものがよく見えるようになるという説です。

ググってみると、

カラーバス効果:
カラーバス効果とは、ある一つのことを意識することで、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まるようになる現象のこと。
カラーバスは「color(色)」を「bath(浴びる)」、つまり色の認知に由来するが、色に限らず、言葉やイメージ、モノなど、意識するあらゆる事象に対して起きる。
人間の脳は、特定の事象を意識することで、五感で得られた情報からその特定事象のみを積極的に認識するという性質を持つ。
出展:カラーバス効果とは 意味/解説 – シマウマ用語集(2020年02月10日現在)

ということらしいですね。

例えば電車に乗るとき、「この路線って、ガラ悪いんだよな」と思いながら乗れば、粋がった身なりの人や、足を開いて座ってたり、いちいち他人の行動に舌打ちばかりしているような人が目に付きます。
反対に「この辺は、気持ちいい人が多いんだよな」と意識していれば、お年寄りや子供に席を譲る人、なんとなく質のいいものを持っている人、穏やかな話し方をしている人ばかりが目に入ってきますね。

お子さん連れの方は、道を歩いていても同じようなお子さん連れの方に目が留まるでしょうし、ペットを飼い始めると、あちらこちらでペットを連れた人を見かけるようになります。

「なんだかこの頃増えてきたな」ではなくて、意識することによって目に入るようになったのですね。
そんな現象のことです。

イメージしているものが目に入ってくるのです

しばらくの二拠点生活を経た後、萩市に完全移住しようと考え始めたのは、このブログを開設する少し前あたりです。

その後、2018年の秋くらいから二拠点生活をはじめ、2020年が明けてひと月ちょっとが経過した今、萩市の古民家を購入する決断をして、これから手続きをするフェーズに入ったのです。

前項で触れた通り、東京と萩、ふたつの街の見え方がだんだんと変わってきますね。

東京のネガティブなところが目につくようになるし、萩のポジティブなところに改めて気づいたりするのです。

たった数年のことなので、街が大きく変わったワケではありません。
まさしくカラーバス効果で、僕の意識が東京を否定し、萩を肯定するモードになっているのだろうと思います。

思い起こせば、地元の高校を卒業して都市部の大学へ通うようになり、たまの帰省時の同窓会で、いかに都市は刺激に溢れて楽しいところか。反対に田舎は何もないし、人間関係は粘っこいし、古い因習は残ってるし、とネガティブな部分をあげつらう場面って、少なからず遭遇した経験があります。

今感じているのは、それの反対ですね。

背景には「自分の選択は正しかったんだ」と思いたい気持ちもあるんですけどね。

もう、そういう思考回路になっちゃってるんですよ。

僕は萩に向かうとき、いつも山口宇部空港からは乗り合いタクシーという交通機関を使います。
直行バスが廃止されたために、萩市内のタクシー会社が定額かつ低額での輸送を請け負っているのです。要予約ですけどね。

だんだんと萩市街地へ近づいていき、萩往還梅林園を越えたあたりから「この坂を曲がりながら登りきったら萩の街が広がる」と、ちょっとワクワクするようになってるんですよね。

昔は、それほど心が動くような行程ではなかったんですけどね。
そもそも、今のルートで移動するようになったのって、二拠点生活を始めてからのことですし。

以前は「羽田から宇部よりも、宇部から萩のほうが時間かかるってどういうことだよ…」「もっと早い交通機関できないかな」みたいなことばかり考えていたように思います。

8年間1回も実家に帰らなかったこともありますし、「ネガティブな印象」どころか、無関心だったんですね。生まれ育った街なのに。

イメージで人生は変る

何をイメージして暮らすかで、人生は変ると思っています。

「萩は、人口減少とともに滅びゆく街」と思いながら街を歩けば、老人、空き家、シャッターの下りた店舗ばかりが目に付きます。
そうなってしまえば、とても「萩に移住したい」なんて気にはならなかったと思います。

ちょうど今の僕は「緑豊か」とか「時間の流れのゆったりした空間」みたいなものを思い浮かべているのですよ。
だから、心が田舎へ向かうし、それが東京の便利さを上回って感じられるのですよね。

僕は、そういうものを見たいのです。

購入を決断して、これから手続きに入る古民家も、最初は悪い部分ばかりが目に入っていたのですよ。
狭い道を通ってアクセスするところとか、古い設備、すぐ近くに田んぼなどなど。

それが、古民家にベストなんてあるわけないから、譲ることができない「やりたいことの芯」さえ保持できていれば、あとは流れに任せて決断しよう。
決断した後に、対応しながら楽しさを見出そう、と考え「ヨシ、これ買う」と決めた途端に、ポジティブなものが多く目に入るようになりはじめたのです。
(参考:やりたいことを、ひとつだけクッキリと

「ものすごく大きく頑丈な梁が使われてるな」とか「オーナーさん、すごく丁寧に管理されてるな」「ちょっと歩くと、ものすごく気持ちいい公園がある」などなどです。

そのうち、また僕が変化して「見たいもの」が変わるかもしれませんが、しばらくは、繰り返すどに増強されていくものだろうと思います。

いずれにせよ、楽しく生きていけるようなものを見続けたいものです。
そのためには「いいもの」をイメージし続ける必要があるんですよね。

「悪いもの」をイメージするようになると、悪いものばかりが目につく社会で暮らすことになっちゃいますからね。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。