田舎で暮らせば、田舎のノイズが
2020.09.20
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。僕がいま暮らしているエリア、とても静かなのですよ。近隣には新造整地があったり、山を登っていくと陶芸家の方々が立派な居を構えていたりして田舎の中でも「ちょっとした町外れ」感のある場所です。だからこそ印象に残るノイズもあるのですよね。
そこに、誰かいる?
うちの裏庭の向こうには、広大な竹やぶが広がっています。
「竹やぶ」と書きましたが、あまりにも長期間にわたって手入れがなされていない様子で、よくよくみると「竹混じりの雑木林」みたいな感じです。
古くなった竹は倒れ放題、地面はいろんな木々の枝葉が積もってるようだし、雑草も生え放題なので、どこが地面なのか目を凝らして見てもよくわかりません。
うちの土地とは、石垣で区切られています。
石垣で一段高くなっているところからが僕の家なのです。
その高さは約1メートル。
藪に向かって木の棒を下ろしてなんとなく測った高さです。
前のオーナーさんは「タケノコの季節には取り放題よ。でも、イノシシも出るから気をつけてね」なんておっしゃっていましたが、僕は今のところ足を踏み入れる気にはなっていません。
そのうち関心を持って、折れた竹を一箇所に集めたりし始めるのかもしれませんけどね。
うちから見える景色を作っている竹やぶなので、気にならなくはないのです。
いまの僕の関心事は、その竹よりも手前なる自分の裏庭です。
その辺りについては昨日投稿した「庭いじり。好きかもしれない」でも少し書きましたので、ご一読いただけると幸いです。
その裏庭にいて、草むしりをしたり、木の選定をしたり、先日解体した小屋の廃材を焼却したりしています。
(参考:裏庭の東小屋を解体しました)
余談ですけどね、あの小屋、解体して正解でした。
解体中から「うわ〜腐ってグズグズだなあ。いつ倒壊してもおかしくないな」などと思っていたのですが、廃材をまとめて置いておいた場所をちょっと動かしてみたら、シロアリがビッシリ。
もうひとつの(解体していない)西の小屋に入れておいたのですが、焼却しやすいサイズに切りそろえて、小屋から出して風通しのいい場所に移動しました。
土間コンを伝って母屋の方にシロアリがやってこないように観察中です。
今日の本題は、そこではないのですよ。
裏庭で作業していると、誰もいないはずの竹やぶから人の話し声が聞こえるのです。
横に2m程度の路地があり、大きな道へ出るショートカットになっているのですが、そこを話しながら通られる近隣の方はおられます。
僕も最初は、その道を通る人の話し声だろうと思っていました。
でも、20分も30分も、ずっと竹やぶの中から人の話し声が聞こえるのですよ。
「定期的に管理の人が様子を見にやってきてるのかな?」と思ったくらいです。
竹やぶの向こうのお宅の話し声が届くのかな? とも思いましたが50mくらい離れてるんですよね…。
正直、ちょっとだけ気持ち悪さを感じていました。
あるときには、竹やぶの中から移動販売車の音楽が聞こえてくることに気づいたのですよ。
当然、道なんかありゃしません。
それでなんとなく「いろんなところを反響しつつ、うちの裏の竹やぶに届いてるんだろうな」と推測しているところです。
まだ、1度も移動販売車の実体を見たことはありません。
先日も移動販売車の音楽が聞こえたので、周囲をグルっと回ってみたんですけどね。
あるときは坂の下にいるような気がするし、あるときは山の上から下りてきてるように聞こえる。
で、うちに帰ってみると、裏の竹やぶにいるように聞こえるのです。
家の構造にも問題があるんですけどね
「得体のしれない音がする」ついでに書き進めると、家の中にいるとときどき「ゴン」という音がするのですよ。
一番最初に気づいたのが、台風が接近している強風の日だったので「屋根裏に木っ端かなんかが放置されていて、風が吹き込んで転がってるのかな?」などと思っていました。
ただ、まったく風のない日にも、ときどき「ゴン」って音がする。
近所の子供が石ころでも投げて遊んでるにしては、夜中にも聞こえる…。
ある日、ゴン、コロコロ、ポテっと聞こえたので、それで気づきました。
分かってしまえばなんてことはない、柿の実が屋根に落ちる音だったのですよ。
うちの庭に柿の木が2本あることも、実が落ちて庭を汚してることも知っていたのに、その「ゴン」と連想されるまでに時間がかかったんですね。
そんなもんです。
「なんで、屋根の上に実が落ちるように柿の木を植えちゃうかなあ」などという不満は若干感じますけどね。
この家を買ったときからそうなってるんですから仕方ありませんよね。
うちは築56年の家なので土壁造です。昔ながらの竹小舞が編んであって、その上に藁を混ぜた土が塗られています。
開口部は、アルミサッシに替えられています。が、平成前期くらいの更新のようで、シングルガラスです。
当然、外の音はよく入ってきますね。
しかも隣は田んぼだったり、前述の通り竹やぶだったりしますので、カエル、セミ、コオロギなどなどの声が1日中聞こえます。
でも、それもそろそろ終わりかな…。
この屋外のノイズがなるたけ入ってこないような家にリノベーションしようと思ってるんですけどね。
(参考:古民家再生をDIYでやりたい)
近隣は非常に静かです。
静かであるがゆえに、ときどき家の前を通る車の音が気になります。
それに、ちょうどうちの前はちょっと道幅が広くなってるので、車どうしがすれ違う場所になってるんですね。
横に避けた車が溝蓋を踏む音が、夜中に響き渡っています。
田舎に引っ越せば、田舎なりのノイズってあるもんなんですよね。
小腹が減ったな、寝るか
ただ、どういうわけか田舎に住み始めると、日が暮れてから出かけることがとても億劫になるんですね。
たとえば、晩酌中「もう1本、ビール欲しいな」とか「これじゃ、おつまみちょっと足りないな」。
あるいは寝しなに「なんか小腹空いちゃったな、パンでも買いに行こうかな」みたいなパターンですよね。
東京で暮らしてるときには、躊躇せずにコンビニに向かってたんですけどね。
理由はなんとなく想像がつくのですよ。
- 家の周囲に街灯がなくて真っ暗
- コンビニまでが遠い(自転車で5分くらい)
- 坂道の上り下りがある
などなどでしょうね。
でもね、それに加えて僕が思うのは「あまりにも周りが静かだから」という要因も大きいような気がするのです。
同じ萩市内に移住してたとしても、もう少し街中だったり、いま住んでいる辺りでももう少し車の往来が夜中まであるようなエリアだったら、そんなこと気にせずに夜中でも好きなものを調達に出かけてたような気がするんですよね。
僕は朝の5時台くらいに、数メートル離れたところまでゴミを捨てに行くのですが、自分が歩く足音、自分が持ってるゴミ袋のカサカサ音が「こんなにも街のノイズになるのか」と、少しビックリするくらいです。
東京のマンションで暮らしていたときには持たなかった感覚ですね。
朝5時の静寂さなんて、似たようなものなんですけどね…。
周囲の景色が違うから、ちょっとした自分が立てる音に対する受け止め方も違ってくるのでしょうね。
おそらく数ヶ月後には、そんなこと思いもしなくなっているでしょうから、とりあえず記録しておきます。
いま朝の7時半。50m先の「お隣さん」の草刈り機の音が響き渡っています。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。