腕時計も、革靴も、長財布も
2021.03.20
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。こないだ葬儀に参列して思ったことが「革靴もメタルバンドの時計も、萩に住んで初めてだ」でした。東京時代には、服装はカジュアルでも小物はちゃんとしてたんですけどね。無職のせいか田舎で暮らしてるせいか…。この気が抜けてる感じがいいのです。
高いブランドじゃなくても、ちゃんとしたものを
昔、よくモノ系の情報誌とか売ってましたよね。
「モノ・マガジン」とか「日経TRENDY」とか「GoodsPress」とか、そんな感じのヤツ。
好きでよく買ってました。
ざっとググってみたら3誌とも、まだ発行されてるんですね。
ぜんぜん「昔」じゃなかった…。
そういう雑誌にときどき書かれていたし、実際に先輩方からも言われたことがあるのが「時計と靴と財布は、ちゃんとしたもの身につけときなよ」でした。
あと、鞄もだっけかな?
別に高価な有名ブランドのものじゃなくてもいいから、手入れや修理をしながら長く使えるちゃんとしたものを選んだほうがいいみたいな感じでした。
師匠みたいに思ってた人も、そんなことを言っていたので、特に異論を挟むこともせずに僕は従っていました。
たまに「革製品を手入れする日」なんて日を決めて、1日がかりでクリームやらワックスを塗って、過ごしたりもしていました。
だんだんと手入れ道具にも凝ってくるし、種類も増えてくるんですよね…。
最初のころは、住んでたところから近かったせいもあって、日本橋の三越や高島屋でよく買ってたんですが、次第にネットで調べて評判のいいものがあればECサイトで取り寄せるようになっていました。
僕も、後輩とか年若の同業者なんかに、似たようなことを言った記憶がありますね。
で、実際にどんな効能があったのかは謎ですけどね。
そういや、傘だって…
職業がデザイナーだということもあって、あまりスーツを着なかったのですよ。
たまに打ち合わせとかにスーツを着て赴くと「あれ、どっか行くの?」って訊かれたりね。
「何言ってんの、ここに来たんだよ」と…。
オンだろうがオフだろうが、カジュアルな服装でいることが多かったですね。
ものものしい構えのクライアントのオフィスにもノーアイロンのシャツとデニムで行ったりしてましたから。
そのせいもあって、前述の時計と靴と財布は、ちゃんとしたものを持つようにしていました。
オッサンになるにつれ、買うものの値段も上昇気味になり、散財もしましたけどね。
「時計と靴と財布は…」って物言い、もしかして誰かが仕組んだ罠かもしれませんね。
結局、それらに合わせようとすると、カジュアルといえどもいい服を着たくなりますし、バッグもいいの買っちゃいますよね。
誰かから「いいの持ってますよね」なんて褒められようものなら、そこでも「いいか。時計と靴と財布は…」って拡散することになっちゃいますしね。
そんなに頻繁に使うわけじゃないし、使ったら使ったですぐに無くしがちな傘だって、前原商店ってとこの「職人さんが手作りしています」的ないいやつ買ってましたもん。
当然、これらの品々はすべて移住先の萩に持ってきています。
ところが、萩で暮らすようになってから半年が過ぎたのですが、まったく出番がないのですよ。
せいぜい、病院や飲食店に行くときに財布を持っていくくらいでしょうかね。
だいたいの場合、QUICPayとクレジットカードで用が足りますから、スマホとカードケースがあればオッケーなんですよね。
スマホには時計も付いてるし。
カバンもポケットバッグくらいしか持ちません。
靴はアシックスのジョギングシューズです。
車の運転や自転車のペダルで革靴を痛めるの、嫌ですしね。
無職になったから? 田舎に移住したから?
無職になったら、気が抜けました。
このブログ内ではよく「ストレスから解放された」とか「気に食わない奴とコミュニケーション取る必要なくて、快適」なんてことを書いてます。
それはその通りなんですが、言い方を変えると「気が抜けてる」のです。
そのせいで、まったく外見を気にしなくなってるのですよ。
後述しますが、意図的にそう振る舞ってる部分もあるんですけどね。
ちょっと大きなバッグが必要なときには、マルシェバッグや紙袋にものを入れて出かけたりします。
どうせ、出先で買ったものはそれに入れて帰ってくるのですからね。
田舎に移住したために、人とすれ違わないということも影響してますよね。
東京で暮らしていたころは、それでも「街の景色に馴染もう」くらいの気は使ってましたもん。
なんとなく、ですけどね。
それが今は軽トラ移動だし、視界の中にあまり人がいませんからね。
当然、マスクだってしていません。
建物の中に入るときにだけ着ける感じですね。
無職になって1年半、萩に移住して半年、本当に持ち物や着るものに気を使わなくなっています。
引っ越しのときにサイドゴアブーツのゴア(ゴム)がユルユルになってたのに気づいてたんですが、結局修理に出さないまま春を迎えようとしています。
もしかしたら、しばらくこのままかもしれません。
だって今のとこ、ブーツを履く日が来る気がしないんですもん…。
ダラけた格好は、無職の証なのです
そんな自分を嘆かわしく思っているかと言うと、そんなこともないのですよ。
前項で触れた「気が抜けてる」状態が、今のところ心地いいのです。
このままずっとかどうかは分かりません。
都市ぐらしの、ちょっとピッとした感じもそんなに嫌いなわけじゃありませんから、また以前のように二拠点生活を始めるかもしれませんしね。
現状、まったくなくなってる物欲も、また首をもたげてくるかもしれません。
僕はまだ、無職としてはビギナーなので、どこかしらで自分自身に「オレは無職になったんだぞ」と言い聞かせる行為を必要としているのかもしれません。
それが「革靴履かない」「時計しない(G-Shockはするけど)」「財布持たない」「着るものに気を使わない」だったりするんでしょうね。
おかしなもので「好きなように振る舞うぞ」と思ってなった無職なのですが、なったらなったで、無職らしく振る舞おうとしちゃうものなんですよね。
ただ、移住前に思っていた「田舎で昼間ぶらぶらしてると、怪しい人だと思われる」ってことは、ぜんぜんありませんね。
もっと田舎(農林漁村部)に行くと、また違うかもしれませんけどね。
そうそう、今年こんなに寒かったのに、結局1回もウールのコート着ませんでした。
どこに行くのにも、スエットかパーカーの上にベンチコートでオッケーです。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。