リーダーの仕事
2018.07.05
最終更新日:2018年12月13日
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。今から30年くらい前の話でしょうか「社長の仕事なんて、メシとゴミの心配くらいしかないんだよ」って言われたことがありました。その言葉をおっしゃったのは、サラリーマン時代に勤めてた会社の取引先、極小規模の広告代理店の経営者の方でした。
僕がリーダーでも何でもないときに聞かされた話ですが、後からジワジワきたんですよ
社会人になって30年以上経過してるんですよ。
「そりゃ働くことに飽きても仕方ないわな」などと思っていますが、途中々々で誰かがポロっと口にした言葉を後から思い出して噛みしめる、みたいなことが多くなってきてますね。
これからやらなきゃいけないことよりも、過去を懐かしむ方がラクですからね。
でも、昔話ばかりをネタにブログを書き続けるのもつまんないので、こういう話、早めに書いときますね。
その「お言葉」と、それを聞いたときの背景を同時に思い出すんですが、正確かどうかは自分でもわかりません。後から得た記憶で肉付けされてたり、改変されてるかもしれません。記憶は増幅されますからね。
たぶん僕自身がシミジミ感じるようなストーリーに作り変えられてる可能性は高いような気がします。でも、僕がそう覚えてるんだからしかたないですよね。
「カッコイイことは従業員に任せりゃいいんだよ」みたいな文脈でした
で「社長の仕事なんて、メシとゴミの心配くらいしかないんだよ」ですよ。
当時、僕はまだサラリーマンでした。業務提携関係にある取引先に、イベントの仕切りだったり、商品パッケージ、印刷物の制作なんかを依頼したりしてたんですね。その取引先のひとつに、極小広告代理店っていうか、なんでも屋さんみたいな会社がありました。
そこの経営者の方と、何かの仕事終わりでメシに誘われて、初めてサシ飲みしたときのことでした。これズバリの言い方だったのか、僕が勝手に短縮しちゃったのか覚えてません。
その方は、当時還暦近かったはずですから、ご存命かどうかもわかりません。
「メシ」というのは、会社(チーム)全員分の仕事、そして給料。何が何でも、これを確保すること。
「ゴミ」は、取引先とのトラブルだったり、内部の揉め事。誰かが頭を下げなきゃ収まらないことなど、誰もがやりたくないような事の始末をつけること。
これらは経営者(リーダー)に責任があるんだと。経営者自ら出ていく準備をしてなきゃいけないんだと。
言い方に語弊はありますが「カッコイイ」とされてる仕事ってありますよね。
自分が発注主になって、外注先を下請けとして「使う」ような仕事だったり、業界団体等で表彰されるなど、他人から褒められる仕事。クライアントの前に出て華々しくプレゼンしたり、頭脳労働っぽかったり、華々しかったする業務だったり。
これらは、従業員に任せるべきだと。「モメて先方を怒らせせたら、オレが謝るから心配するな」と。
ザックリこんな感じの話だったと思います。
その方は、最初は「社長の仕事は」とおっしゃってたんですが、途中から「リーダーってな…」という言い回しに変わったんですよ。
どういうわけか、その辺は鮮明に覚えてますね。
意図的だったのか、その方が口の回りが良かったからなのかは、今でも謎です。
当時、僕がその方の会社に発注する立場だったので「このプロジェクトでは、お前さんリーダー何だぞ、わかってるか?」「ちゃんと自分の立場を把握しとけよ」っていう遠回しの説教だったのかもしれませんし、「オレはこんな感じで会社を経営してるぜ」っていう自慢話だったのかもしれません。
「お前の会社の社長(経営者)も、そういうの分ってる人だよ。だからちゃんと敬えよ」って意味も含まれてたのかも。
おそらく、いろんな意味合いが混ざってるんでしょうね。
僕は当時入社数年の三下ですから、なぜ僕を誘ってくれて、こんなことを言ってくれたのか、未だにわかりません。
今の僕は、当時のその方の年齢に近いんですが、自分が20歳台前半のサラリーマンを飲みに誘って、こんな話をすることを想像してみつつ、そのときの状況と重ね合わせてみると「特になにも意図してなかったんだろうな」「テキトーに話がそっちに流れたんだろうな」とも思ったりもしますけどね…。
僕が勝手に「あんときの話は効いたなぁ」って、思い出を増幅させちゃってるだけだったりするんでしょうね。
思い出したのは10年近く経ってからでしたね
僕はこの話をサッパリ忘れてたんです。
それから10年近く経って、独立し、会社を作って舞台公演をプロデュースすることになりました。
この公演に関しては、またどこかで書くことになると思いますが、某劇団の方々に手伝ってもらいながら、スタッフ・キャスト含めて30人を超えるメンバー。周りはプロもしくはセミプロ。僕はシロート。
「やるぞ!」って言い出した僕が一番の足手まといになるという状況で、準備から顔合わせ・稽古・本番・打ち上げまで。
そのときに思い出したのが「社長の仕事なんて、メシとゴミの心配くらいしかないんだよ」という言葉でした。
聞いてから10年近く経ってたはずです。
それで、チーム内の「メシ」と「ゴミ」を探し出して、それを自分の役割にしようと。
メシは、チケットの完売と企業からの協賛金の確保。ゴミは、稽古場の手配から、文字通りゴミ捨て、人間関係の調整、弁当の手配。
お金がないので、稽古場は公共施設を使ってました。複数の場所を申し込んでおいて、一番条件のいい場所を使う、それ以外はキャンセル。あまりキャンセルばかりすると心象が悪いので、直接管理人さんに挨拶に出向いたり。
どこも当選しないときは、民間の料金高い稽古場の中でも、ちょっとでも安いところに電話かけまくって確保。
もちろん、チラシやポスターができたらまっ先に稽古場に貼らせてもらう。
メセナ協議会というところに申請して助成認定してもらい、それをネタに企業回ったり、メディアに取材依頼したり。
舞台公演のプロデューサーが、どんなことをするのかわからないままに、自分の仕事を勝手に作って動き回ってました。
それが、成功だったのか失敗だったのか? プロの劇団員たちの目にどう映ったのかは、今でもよくわかりません。
でも、公演が終わったあとに劇団の事務局の方から「メセナ協議会への申請方法や、どういう基準で協賛企業を選定したのか?」「企業訪問のときに使ったツールを譲って欲しい」などと連絡がきたので、それなりの印象は残せたんだろうとは思っています。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。