フリーランスになりたいと言ってくる人には「やめとけ」と答えます
2018.12.21
最終更新日:2019年10月11日
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。「将来フリーランスになりたいんですよ」と周りの人に言って回ってる人って、いつも「こんな会社やめてやる」と言ってる人と同類なんじゃないですかね? 僕にとっても、親身になって一緒に考えることが時間のムダだったりすることが多いのですよ。
なる人は、黙ってなりますよね
もうすでに着々と準備を進めていて、自分の行動をもうちょっと後押しするための知識が欲しくて、すでにフリーランスで食ってる僕に何かを聞いてくる人っていますよね。
こういう人は、もう決断していますし、それほど心配していないのですよ。
少し話をすれば「もう準備段階なんだ」と感じますので、いくらでも時間を取って自分の経験談を話したり、逆に「あそこはこうしといたほうが…」みたいな自分の後悔や失敗談も含めて、本人の疑問に答えようとしますし、最後は「応援しています。ガンバレ、きっと大丈夫」と背中を叩くのですよ。
そうではなくて、漠然と「僕もフリーランスなったらいいんですかねえ」とか「僕もいつかフリーになりたいんです」という人には「やめとけ」と言って、そこで話を打ち切ります。
その人、たぶんフリーランスにならないんですよ。
いつでも「会社やめる」って言ってるサラリーマンの人いません? だいたい「やめる、やめる」いい続けながら会社に残ってますよね。
そういう人って「やめたい」人じゃなくて「やめるって他人に言いたい」人なんですよ。
「フリーランスになりたい」って人も、その亜種なんですよね。
「転職」も「フリーランス」も、そんなに肩肘張って強い心で決断するような、人生の一大事でもないように思うのですよ。
ダメならまた違う道に進めばいいし、一旦フリーになってから、再度サラリーマンになってもいいし、繰り返したっていいと思うのです。
僕もそうでしたけど、フリーになる人って、ひとりで作戦立ててて、ある日突然フリーになりますよね。
なので、作戦の立案にはいくらでも協力します、でも、ただの「フリーになりたい」には「やめとけ」と答えます。
本心は「好きにすれば」なのですが、「なりたい話」を聞き続けるのは苦痛ですし、賛意と取られるのを避けたいのですよ。
事実、フリーになってが故に後悔する要素ってたくさんあるのですよ。
おそらく「メリット」と同じくらい「デメリット」があります。上手くいかないと「デメリット」しか感じられずに、それで後悔することになるのですが、あとから「あのとき賛成してくれたじゃないですか」と、近寄って来られたくないのです。
フリーになったとたん、サラリーマンをバカにしはじめるヤツ、ダメ
フリーランスって目的じゃないんですよ、当たり前だけど。
なので達成感とか感じるものではないし、ましてや「ステージが上がったぞ」みたいな思い込みって、非常に危険です。
フリーランスでも起業でも、独立をするとサラリーマンを見下し始める人を少なからず見ているのですよ。
「社畜」とか「大企業病」みたいなワードを好んで使うようになります。
そういう人って、フリーランスや事業主しかいない場所でも、いい印象はもたれませんよ。
だって、多くのフリーランスも経営者も、クライアントは企業であることが多くて、そこの担当者はサラリーマンなのですよ。
フリーも経営者もサラリーマンも、労働によって収益を上げる一形態に過ぎず、好き好きで選んですだけなんですよね。
フリーランスのメリット
僕にとって「フリーランス」という働き方は、とても向いていたと思っています。
50代半ばの今「またなんか違うことやりたい」と思ってる最中ではありのですが、とりあえず20年以上もフリーランスのWebデザイナーを続けられたのですから、自分に合ってたのですよ。
少しくらいは「フリーランスのメリット・デメリット」くらいは語る資格があるんじゃないでしょうかね?
まずは、自分が感じたフリーランスのメリットを書き出してみます。
サラリーマン時代よりも(たぶん)収入は増えます
ここが一番の関心事だと思いますね。
結局は、自分の努力次第ではあるのですが、サラリーマン時代の倍増なんてのは当然だと思ってください。
よく「サラリーマン時代の3倍でトントン」という言い方をします。
逆に、サラリーマン時代の収入を超えないのであれば、サラリーマンに戻る決断をすべきかもしれません。
やはり、向き不向きはあるのですよ。
通勤しません
人によっては、気分転換のために事務所を借りる人もいますけど、僕は自宅の一室を作業部屋にしています。
好き好んで通勤ラッシュ時の電車に乗る人はまずいませんよね。
ときどき、朝早めのミーティングのスケジュールが入り、まだラッシュの名残を感じる時間帯の電車に乗ることもあるのですが、ちょっと新鮮です。
イヤな人との付き合いを(極力)やめることができる
基本的には「好きな人」と仕事をすればいいのですよ。
逆に、我慢して「嫌いな人」と仕事をしても、長続きしませんしメンタルもやられますので、損切りしても嫌いな人との仕事から離脱する方が効率的であることを学びます。
見出しに「(極力)」と書いたのは、クライアントワークですから、案件ごとに付く担当者の当たり外れはあります…。
僕は大先生ではないので「この担当者、NG」なんていうパワーはないのですよ。
でも、みごとにハズればっかり揃ってるクライアントというのも存在します。そういうのを「社風」っていうんでしょうかね。
そういうところからは仕事を請けないようにしますね。害しかありませんから。
休日はスケジュール次第
土日や祝日に買い物やイベントに行くわけありません。徹底的に、混雑を避ける体質になるのですよ。
行楽地も博物館や美術館。平日はガラガラですよ。
休日も、スケジュール次第で「いつ」「どれだけ」休んでもいいのです。
ただ、仕事よりも休日を優先しすぎると「永久に休日」になることも…。
フリーランスのデメリット
では、僕が感じているデメリットについて書き出してみます。
収入が不安定
僕がフリーランスになって最初に思ったことが「月給ってスゲえな」です。
「やったら、やっただけのお金が欲しい」が、フリーランスになるモチベーションだったのですが、いきなり失ったものの大きさに気づきました。
成果物を納品できなければ収入はゼロ
有給休暇なんてありません。
大切なスケジュールが入っていたり、〆切直前のツメツメの時期に「体調悪いので欠勤します」というわけにはいきません。
自分の代わりになる人はいないのです。
当然、お金は成果物によって発生するので、成果物を納品できなければ収入はゼロです。
事務処理も作業場の掃除も設備のメンテナンスも、いくら時間を使っても収入を生んでくれません。
誰も何も教えてくれない
環境はどんどん変化するのですよ。
新しい技術や考え方がどんどん出てきますし、競争相手もどんどんフィールドにやってくるのです。
自分の飯のタネが陳腐化するのなんて、あっという間なのですよ。
今の場所で、自分が役にたたない存在になった場合、サラリーマンのように教育の機会を設けてもたっり、配置転換で自分に向いた職場に移してもらえることなんかありません。
僕は、ずっと「フリーランスにとって、盆暮れGWはラボ」と思い続けてきました。
ひとりで、黙々と学習をし続けないと、フリーランスという生き物は死んじゃうんですよ。
税金とか年金・保険とか
サラリーマンはこういうの全部、会社がやってくれるんですよね。
でも、フリーランスは、自分でやります。メンドくさいですよ。
収入が多くても少なくても、手間はほぼ同じですからね。
ほかにもiDecoとか中小企業共済とか、知ってれば恩恵に預かれるけど、誰も教えてくれない。
そして手続きはすべて自分でやらなきゃいけないようなものがたくさんあります。
収入が増えたら増えたで「予定納税」という税金先払いシステムがあって、突然「納めてくださいね」という連絡が来ます(制度として決まってることなので「突然」は、僕の感想に過ぎないんですけどね)。
とにかく、お金回りがメンドくさいです。
そのかわり「こんなに取られてるのか」と、身をもって認識できるようになります。
フリーランスになりたい人は「やめとけ」って言われてもなりますよね
ざっと挙げてみた、メリットとデメリット。
他にもいろいろありそうですが、今思いついたのがこのくらいですが、いろいろググってみても、同じようなものが出てくるんじゃないでしょうかね?
まずは、メリットとデメリットを比べながら考えてみるといいんじゃないでしょうか?
漠然とした希望で「フリーランスになりたい」と、他人にアピールしても何も変わりませんからね。
自分の中である程度考えてみたら、簡単なことから行動してみることですよね。
副業でクラウドソーシングやってみてもいいじゃないですか。ネット上で成果物をアウトプットし続けてもいいじゃないですか…。
結局、話は振り出しに戻るのですが、フリーランスになる人は黙って行動しますし、たとえ「やめとけ」って言われてもなっちゃうもんなんですよ。
◆ ◆ ◆
【追記】
その後2019年9月25日に、すべての受け持ち案件がクローズして無職になりました。
(参考:「無職」って言っちゃうとウソになる。でも言いたいのです)
ただ、せっかく無職になったのに、さほどに生活スタイルは変わらないのですよ。20年間のフリーランス生活を振り返ってみると「フリーランスって、時間が自由に使えるし生産性上がるし、なかなかいいよ。オススメだよ」と思っています。
それで「フリーランスのメリットは、1日何回もシャワーを浴びられること」という記事を投稿しましたので、よろしかったらご一読を。
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