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フリーランスになったときに買った・作った、無駄なもの

2019.01.13

こんにちは、萩ドットライフ()です。

最近、SNS上で「独立論」みたいな話が交わされている場面に頻繁に遭遇するような気がします。自らがフリーランスである僕からしてみれば「まあ、好きにすればいいんじゃないの」ではあるのですが「それよりも、無駄なもの買わないでね」と思うのです。

ミニマムで行け!

僕が独立してフリーランスになったのは、もう20年以上前のことになります。
1990年代初頭のバブル崩壊をなんとなく肌で感じながら過ごし、「平成大不況」真っ只中の1997年にフリーランスになったので、最初から「無駄なものは買わない」という意識は高かったと思います。

住所兼オフィスとして借りたマンションは、江戸川区の瑞江でしたし、オフィス部分に置く家具は、基本スチールの事務用品のみ。「決してオシャレ雑誌に載ってるような家具など買うまい」と心に誓っていました。

法人登記もしたのですが、買った印鑑は実印のみ。銀行員は作っていませんし、角印はシャチハタです。

それでも、後から考えると「無駄なものばかりだったな」と思うものが多かったのですよ。

もちろん、当時は必要だったけれども、環境の変化とともに不要になったものもありますが、フリーランスになり法人を設立しちゃうと、どうしても「小さな見栄」みたいなのが生まれてくるのですよ。

職種にもよるのでしょうが、僕はWebデザイナーです。
今、東京と山口県萩市の二拠点生活をしているのですが、結局、仕事道具なんて飛行機に預けて持ち運べる程度のもので済んでしまうのですよ。

僕がフリーランスになってからの20年の間、FAXを使わなくなり、多くの紙がPDFに置き換わりましたから、それで実現できている部分も多いのですが、フリーランスなんて、基本PCさえありゃどうにかなるのですよ。

結局捨てちゃったものリスト

開業当初は、いろんなことを考えるのですよ。「打ち合わせスペースがいるぞ」とか「差別化だ」みたいなことですね。
今から考えれば「バカじゃねえのか? そんなことより、仕事やれ」なのでありますが、当時は至って真面目にそんなことを考えていました。
その当時に買って(作って)、結局「要らない、こんなもん」ってなったものを思い出しながらリストアップしてみますね。

作業台・来客用椅子

幅120cmと180cmのスチール机を2台買いました。
そして、肘掛け付きのキャスター椅子を2脚と、肘掛けもキャスターもないシンプルな椅子を4脚。
理由は「ミーティングができるようにしたい」です。
結局、ときどき飲み会をやるときに使ったくらいのもんでしたね。
残ってるのは180cmの机のみ。これが今の僕の作業台です。あとはすべて人にあげたり、粗大ごみに出したり。

そうそう「事務所借りました」って連絡したら「椅子上げるよ」って言ってくれる人も現れ、断りきれずに取りに行きました。
古いけど上等な椅子でカッコよかったんですが、いっとき事務所内が椅子だらけになってたときがありましたね。

常時いるのは、僕ひとりなんですけどね…。

スチール棚・キャビネット

ある程度、仕方なかった部分もあるのですよ。当時は紙が多かったですからね。
「作品や制作物を保管する場所が必要だな」「作品置場と事務所類は、分けて管理しないとな」なんて思ってました。
幅120cmのスチール棚ひとつ、そして幅40cmくらいのファイリングキャビネットを3つ買いました。

結局、この20年の間に、僕は「紙」の制作物を作らなくなったし、資料もデジタルデータになりましたので、今残っているのはファイリングキャビネット1つだけです。
スチール棚はずっと物置みたいにして使ってたんですが、東日本大震災のときに危険を感じて、粗大ゴミに。

ロゴ入りファイル・封筒

僕自身がデザイナーを生業にしていますから、そりゃロゴ、作りますよね。
名刺も、もちろん4色で刷りましたけど、そんなことは大したことではないのですよ。

ファイルも封筒も作ってしまいました。
封筒は、角2(A4が入るサイズ)と洋3(A4三つ折りサイズ)の2種類作ったんじゃなかったかな…。

ご丁寧に事務所の所在地まで入れたのですが、数年後に区画整理で住所表記が変わり、正しくない住所が印刷された封筒を使い続けるという、カッコ悪い状態に陥ってしまいました。

今は、封筒なんてほとんど使いませんが、必要なときには市販の茶封筒にシャチハタ押してるだけですね。

コピー機・FAX

挨拶に行った近所の会社の人に、事務機屋さんを紹介されちゃったんですよ。
まあ当時は、紙の量が多かったですからね。コピー機をレンタルしてしまいました。
強く勧められた、複合機の導入をなんとか拒んだことで「ヨシ」としています。

でも、思ったより使いませんでしたね。
今から考えても、コンビニで充分でした。

当時よりもはるかに紙の量が減ってる現在、コピー機なんて絶対に不要です。

FAXは、感熱紙をタイプを使っていました。
当時でも「古い」とされていて、盛んに普通紙FAXの導入を勧められた記憶があります。

結局、コピー機もFAXも撤去して10年以上が経過してますね。

あんしん財団(当時KSD)・定期預金

「もの」ではない「無駄だった」もありますね。当時は毎月、信用金庫の営業さんが来てたんですよね。
何しに来てたんだろ? 世間話して帰ってただけのような記憶もあります。

その人から勧められて「あんしん財団(当時のKSD)」に入ってたし、定期預金もしてましたね。
こういうのって、途中で「アホらし」と気づくのですが、惰性でだらだらやり続けちゃうんですよね。

僕は10年以上やってました。
こういうのは、最初から始めないのが一番ですね。

電話回線

電話回線を2本引いていました。正確にはネット回線用のやつがあったから3本使ってたのかな?
とにかく、電話番号が2つあり、電話も2台あったのですよ。
「オフィス用とプライベート用は分けないとな」って思ってました。

固定電話なんてほぼ使わなくなって何年も経つのですが、ごく最近まで契約してましたね。

総じて、目に見える「無駄」って早めに対処できるのですが、あんしん財団や電話回線みたいに「定期的に生じる少額の無駄」の方がやっかいですよね。
開業当初って、いろんな営業に「いいすよ」って応じちゃうもんなんですよ。

「今、そういうの考える余裕ないんで、必要になったら改めてご連絡します」ってひと言を用意しておけたら良かったと思っています。

「クリエーターのオフィスはは港区に限るよね」なんてダメよ

冒頭に書いたように、僕は住居兼事務所を、東京都江戸川区に借りたのですよ。
23区内だし、都営新宿線の駅から徒歩5分程度だし、それほど不便はしないだろう、と。

当時考えていたのは「可能な限り便利」「オシャレ感不要」でした。
その分、広いところが欲しかったのですよ。
今から考えれば、その「広さ」も不要だったんですけどね。

かつて「クリエイターは足立区の名刺を出すな」と言って炎上した方もおられたようですが、僕は足立区でも充分だと思います。
逆に今、「利便性」もかつてほど重要ではなくなってるようにも思うのですよ。
現に僕は山口県萩市にいることもあるのですから。

なによりも固定費ってキツいんですよ。
従業員がおられるのであれば、給与が一番の固定費なんでしょうが、フリーランスもしくは、ひとり法人の場合、オフィス賃料が最大の固定費って方が多いんじゃないでしょうか?

開業時って、どうしてもカッコつけたくなっちゃうもんなんですよね。
「オレサマはクリエーターだから、港区一択でしょ」とか考えがちなのですよ。

こういうの、あとあと響きますよ。場合によっては生死を分けますよ。
「足立区だったから、廃業に至らなくて済んだ」ってこともありえるのですよ。

人には、いろんな考え方があっていいと思います。
これはあくまでも、僕の考え方に過ぎませんが、僕は「自尊心」や「虚栄心」よりも「リスクの軽減」を選ぶべきだと思います。

フリーランスがまず目標にするのは「継続」だと考えるからです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。