在宅デザイナーを20年間やってみた
2019.03.27
最終更新日:2019年11月09日
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。「デザイナーやめちゃおう」と思ってるのですよ。「せっかく、ここまでやってきたのにもったいない」と思うし「ここまで続けてこられたのだから、もう充分」とも思っています。でも一時期は「最適解」だったはずのモヤモヤを検証してみたいのですよ。
「なる方法」じゃないですよ
今、30歳くらいの「フリーランスのデザイナーになって、在宅で仕事したい」と思っておられる方にとって、果たして参考になる記事が書けるものかどうか?
時代背景も社会環境も違うし、今となっては「運が良かったな」としか思っていないので、方法論とかは書くつもりありません。上手に書く自信もありませんし。
行き当たりばったりで、どうにか50代半ばまでデザイナー業で生きてこられたオッサンが、このブログ記事を書いてる今、過去を振り返っているだけの記事です。
僕の立場は、フリーランスのWebデザイナー。法人登記はしていますが、従業員はいません。
20年以上前に資本金300万円で設立した法人なので、懐かしの「有限会社」です。
東京の2LDKの自宅マンションの1室が僕の作業場。食事と風呂、就寝以外は、ほぼ1日中ここにいます。
ここが、僕が所有している法人の本店です。
今は、二拠点生活をしていますので、定期的に山口県萩市の作業場へ移動しています。
ここは、僕が生まれた家の1室を使わせてもらっています。
フリーになった、もともとのモチベーションが「通勤イヤ」ですからね。
いろいろとポジティブな理由も用意していますが、本質は「メンドくさいな。怠けたいな」なのですよ。
「満員電車」とか「毎日同じ時間に同じ場所に通う習慣」とか、ホントにダメなのですよ。
「わがまま言うな」とか「みんな我慢してるんだぞ」は、分かるのですが「オレにはムリだから、フリーが向いてるな」と考えたのですよ。
それでも10年間のサラリーマン経験があります。
そのときは「僕、ホントに通勤ダメなんで」と掛け合って、千葉県の工業地帯にある営業所に車で通わせてもらってました。当時は「在宅ワーク」なんて概念ありませんでしたけど、今で言うサテライトオフィスみたいなもんですよね。
車で通ってると、渋滞を理由に始業時間も結構ルーズだったりしたのですよ。
サラリーマン時代の話は、本論からズレるので、このへんで。
こんな感じなので「フリーになるみんなは、まずここに気をつけよう」「フリーになってやることはまずこれだ」みたいな知恵を持っていないのです。
営業方法とかよくわかんない
「顧客を獲得するコツ」みたいなのも、よくわかりません。
最初の2年くらいは血眼になって、顧客獲得に動いていた時期がありましたね。当時はグラフィックやってましたから、求人誌買ってDTPデザイナー募集してる会社に「外注先は探してませんか?」って電話したり、仕事マッチング用の「村の掲示板」ってサイトで気になった会社にメール送ったりしてました。
結局、そのときに巡り合った人からのつながりで、今でも仕事できるるのですよ。
運が良かったとしか思えません。
今のメインクライントを一緒にやってる制作会社へのつながりは、開業当時の営業活動をしているときに、一度、面談を断った制作会社が発端なのですよ。
先方の「この日この時間に、複数人の面談をしますので、お越しいただけませんか?」という要請に応えられなくて断ったのですよ。そしたら、その日の夕方に「面談終わってメンバー出払っちゃったけど、僕なら残ってるから、ヒマだったら顔出しません?」って電話があって「僕も暇だから」と、コンビニで差し入れ買って、世間話しに行った制作会社から、つながりつながり、20年後の今まで続いているのです。
その発端となった制作会社は解散して、それぞれが別の会社を作ったり創作活動を始めたりして、今は付き合いがありませんが、結局それ以来、僕自身は営業活動をしていません。
そこからのリレーで食いつないでいるのですよ。
なので「フリーランスの営業方法」についても、あまり語るべきものを持っていないのです。
なんとなく「双方が求めてるレベルのギブ・アンド・テイクを継続することができれば、仕事は来る」とか「やりたくない仕事を角を立てずに断るのが、オレの営業」などと考えたりはしてきました。
(参考:「仕事の報酬は仕事」という考え方)
作業場に他人がいるのが嫌い
同じ空間に他人がいるのがイヤなのですよ。
「家族は? 友だちは?」などと思われるでしょうが、それはそれで、折り合いの付け方はあります。
特にイヤなのが、自分で「作業場」と呼んでいる仕事空間ですね。とにかく他人の気配を感じたくないのですよ。
自分でも異常性は認識していますが、それほど珍しいことでもないと思うんですよね。
「人による」というのも若干はあります。尊敬する人とか、好きな人と空間を共有することを快適だと感じることは多々あります。なので、好きな人を招くことは問題ないのですよ。でも、ずっといるようになると徐々に耐えられなくなるのです。
そんなに親しくもない、仕事仲間くらいの付き合いの人が「今度、遊びにいきますよ〜」とか言ってくると、鳥肌がゾワっと立ちますね。
「いや〜、基本ひとりでネチネチ作業してるのが好きなんですよ」くらいに濁しますけど、あまりにしつこい人には「ダメです。あなたは僕に仕事以外の話題で話しかけないでください」って伝えますね。
それで人間関係が壊れても、仕事を失っても仕方ないと思っています。
そんなことが現実になったことは、ないと思うんですけどね。だって誰も「仕事の話題以外で話しかけるな、と言われたので、あなたには発注しません」って言うわけありませんから、確認のしようがないのですよ。
結局、デザイナーやめたくなってる
「デザインをやりたかった」「在宅でひとりで働きたかった」ので、在宅デザイナーになって20年が経過しました。ずっと「最適解」だと思ってました。
でも、何もかもが自分にとって都合のいい状態なんてないのですよ。ずっとやってると、次から次へと不満を感じ始めるのです。
「デザインはやりたかったけど、デザイナーになりたかったワケじゃなかったんじゃないかな」「オレ、本当は他人と協業する能力に著しく欠けてるんじゃないかな」などと思い始めてるのですよ。
たぶん、モヤモヤと感じている不満と折り合いをつけるために勝手な解釈をし始めてるだけなんですけどね。
「ならば、本当にデザイナーやめてみよう。検証してみよう」「収入なくなっても、死ぬことはないだろ」と思ってるし、そう行動し始めたのが、在宅デザイナーを20年間やってみた今、なのです。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。