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サラリーマンはもう安定じゃない?

2019.05.16

こんにちは、萩ドットライフ()です。

「大手企業のサラリーマンは安定してる」ということになってましたよね? 僕は「不安定」なフリーランスだからこそ「安定」についてはそれなりに考えてきました。そろそろ「安定」という言葉を再定義しなきゃいけない時期のように思うのです。

「終身雇用難しい」

先日の中西宏明・経団連会長の「終身雇用守れない」発言に続いて、トヨタ自動車の豊田章男社長も5月13日の日本自動車工業会の会長会見で「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言したことが話題になっていますね。

僕は現在、フリーランスのデザイナーですし、法人登記しているので一応「経営者」ということにもなろうかと思います。フリーになってすでに20年以上が経過しています。

もともと「終身雇用」されることにさほど魅力を感じない種類の人間なのではありますが、「安定」を嫌っているわけではありません。
元々が「不安定」な身分であるがゆえ、サラリーマンよりもはるかに「安定」に対して敏感で、ずっと渇望し続けていたように思います。
(参考:「安定」の定義なんて人それぞれですね

フリーランスは結果がすべてなのですよ。
盤石だったはずの関係が突然崩れようが、信頼していた人に裏切られようが、約束を反故にされようが、ルールが変わろうが、病気になろうが、倒れようが、いっさい言い訳をすることはできないし、言い訳をする相手も自分しかいません。だからシンプルでいいのですよ。

フリーランスは常に、収入がゼロになることをイメージしているし、働いた分お金がもらえるわけではないことを想定しています。
10年間タネを蒔き続け、11年目にやっと収穫なんてこともあります。

コツコツと継続するチカラと、とにかくやってみる行動力こそが「安定」の源泉だと思っているのです。

少々、前置きが長くなりましたが、そういう立場から「サラリーマンの安定」について考えてみようかと思います。
前回の「中西宏明・経団連会長発言」のときにも「サラリーマンとフリーランス。どっちがいい?」という記事を書いています。
もう20年以上サラリーマンではありませんが、働く人のマジョリティがサラリーマンである以上、気にはなっているのですよ。

セミリタイア中とはいえ、まだお請けしている案件はあります。
一緒に仕事をしているクライアントも広告代理店の人たちも、みんなサラリーマンなのです。

むかし「社会を自由形で泳ぐ」というコピーがありまして

今から30年くらい前でしょうか。「フリーターブーム」というのがあったのですよ。
ちょうど「フリーター(=フリーのアルバイター)」という言葉が登場したころで、カッコいいということになっていたのですよ。

「社会を自由形で泳ぐ」なんてコピーもありました。
会社に縛られる働き方はカッコ悪いと言い出す人が多かったし、事実、アルバイトの方が駆け出しの会社員よりも収入が多かったのですよ。

現在50代半ばの僕がサラリーマンになったとき、初年度の月給は15万円台でした。
それが、月20日くらいバイトをすれば20万円を超えていたのですよ。事実「年のうち9ヶ月バイトして、3ヶ月遊んで暮らしてる」って言ってた人に会ったことがあります。

その人たちが、その後どうなったのかは知りません。
想像でしかありませんが、ひと握りの「持ってる」人々はビジネスオーナーになってそれなりに豊かな暮らしをしていて、大部分の人たちは問題の「高齢非正規労働者」になってるんじゃないでしょうかね。

おそらく豊田章男社長の「終身雇用難しい」発言を受けて、退職金制度をなくす会社が増えてくるでしょうし、金銭解雇の制度化が叫ばれるようになるのでしょう。
そして「その方が、大多数の労働者にとっては得になる」という論調に支配されるような気がするのです。

時を同じくして、今SNS上で「フリーランス」がもてはやされています。どうしても30年前の「フリーターブーム」を思い出しますよね。

僕は自分がフリーランスで生活することを選んだし「それで良かった」と思っているのですが、ブームに煽られてサラリーマンを辞めてしまうことには賛成しません。
以前『フリーランスになりたいと言ってくる人には「やめとけ」と答えます』という記事を書いたこともあるので、ご参考に。

「安定」の定義を更新する時期かもですね

前述の通り僕は「安定とは、コツコツと継続するチカラと、とにかくやってみる行動力」と考えていますが、「安定とは、終身雇用と毎月振り込まれる給料と、年1回の昇給」という考え方を否定しているわけではないのです。
フリーになって、まず身にしみて感じたことは「月給ってスゲぇな」でしたから。

やはり、社会通念的に「安定」とは「公務員」だし「大企業サラリーマン」なのだろうと思いますよ。

ただですね。僕は、

  • 職種を会社から割り当てられる
  • 会社の業績が悪くなって、一方的に賞与を減額される
  • 会社の都合で勤務地を指定される
  • 毎日、満員電車での通勤を強いられる

「これが安定か?」と考えていたのですよ。

それが最近は「45歳を超えた人は要らない」となり、「終身雇用難しい」ですからね。
(もちろん、フリーランスにも「40歳限界説」みたいな言い方もあって、概ね正しいような気もしているのです)

結局「安定とは選択肢の多さ」ということになるんでしょうかね。

上に「僕は、コツコツと継続するチカラと、とにかくやってみる行動力が安定の源泉だと思う」と書きましたが、これは常に選択肢がゼロになることを想定しているからなのですよ。
ちょうど今、30年来の生業としてきたデザイナーを辞めて、また何か別の職業を模索したいと考えているときなので、自分の行動を正当化したいからかもしれませんけどね。

サラリーマンもフリーランスも関係なく。もっといえば「人生100年時代」なのですから、現役世代もリタイア世代も関係なく、「安定」という言葉を自分なりに再定義したほうが良さそうな気がするのです。

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