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「詳しい人」として紹介されたくない

2019.11.08

こんにちは、萩ドットライフ()です。

「〇〇に詳しい人」って紹介されても、あまりいいことないよね、って話です。結局「その人に代わって調べてあげる人」になっちゃうんですよね。絶対にイヤだってほどでもないのですが、なんか「余計な時間使っちゃったな」ってことが多いのです。

詳しい人って何?

僕は20年以上フリーランスのWebデザイナーでメシを食って来ましたし、その前のDTP(デスク・トップ・パブリッシング)やってたグラフィックデザイナー時代を含めると四半世紀以上「パソコンで仕事をしてる人」なのですよ。

なので、会う人に自分の仕事を説明すると、一定の割合で「パソコンに詳しい人」カテゴリに入れられてしまうようです。

かつては「パソコンの仕事をしてる、萩ドットライフさん」などと紹介されることもありました。
さすがに、最近はそんなことありませんけどね。

「デザインを仕事にしている」よりも「1日中パソコンに向かって作業してる」の方がインパクトがあった時代があったのですよ…。

パソコンがまだ「オタクの趣味」と「仕事道具」の間くらいに位置づけられていた頃の話です。

さすがに今は、僕自身がオッサンになり「パソコンの使い方」について気軽に訊ね難い風貌になりましたし、時代も進み日常的に仕事でPCを使う人は「パソコンに詳しい人」みたいなザックリした言葉は使わなくなっているので、そういう紹介をされることはなくなりましたが、それでも「ネットに詳しい」「ホームページに詳しい」「WordPressに詳しい」みたいな伝えられ方をすることはあります。

そもそも、僕はまったく詳しくなんかないのです。

「無知の知」を気取るわけではありませんが、日常的に仕事で触っていると「オレ、何も知らないな」という意識の方が強いのですよ。
(参考:アウトプットの効能。「無知の知」とか

だから、具体的な事象について「これ、原因わかります?」とか「萩ドットライフなら、どう考える?」みたいな訊ねられ方をすれば、それなりに意見を言うし「なんとなく当てがあるから、調べてみますね」くらいの返事はできるのですよ。

でも「○○さんから、ネットに詳しいって紹介されたんですけど」みたいなザックリしたアプローチをされると、戸惑いしか覚えないのです。

だって、htmlとかcss、Javascript程度ならなんとかなりますけど、ネットワークのこととかサーバー、ハードウェアのこととかに話が及ぶとさっぱりですもん。

当然「えっ。ネットに詳しいって、何を期待されてます?」って警戒心丸出しの対応にならざるを得ませんよね。
僕を頼って連絡してきた人に「なんか聞いてたのと違う、この人感じ悪い」って印象を与えてしまうので、誰も得をしないのですよ。

結局、代わりに調べるハメになるのです

繰り返しますが、僕はパソコンにもネットにも詳しくないのです。
でも、僕の知人(対して親しくもない人であるケースが多いんですけどね)を経由している以上、できる限りのチカラにはなろうとはします。

大抵は「その人の代わりに調べてあげる」作業をすることになりますね。

おそらく、世の中の多くの「詳しい人」は、そういうハメになっていると想像します。
「パソコンに詳しい」とか「ネットに詳しい」みたいなザックリした要求に一発で答えられるケースなんて、それほど多くはないと思うのです。

そして、そういう聞き方をしてくる人に限って、ググって見つけた上手く解説しているページを「このサイトとか参考になりません?」とURLを送ると「よくわからない。ちゃんと説明して欲しい」みたいなことになってしまうのですよ。

しかも、世の中の大半はWindowsユーザーです。でも、僕のメインの作業機はMacなのです。
Windows機も表示確認用に所有していますが、ほぼビギナーに等しいのですよ。だって、ブラウザしか使わないのですから。

「じゃあ、一緒に操作してみましょっか。コントロールパネル開いてもらえます、え〜と左下の『田』って書いてあるところ、ええ、田んぼの『田」ですね…」
みたいなことを言いつつも、僕も当該ページを読みながら四苦八苦しながら操作と説明をすることになるのです。

相手が取引先の人とかだったら「ていうか、社内に『詳しい人』いません?」とか思いますよね。
知り合いの友人で専業主婦とかなら「近くに聞ける人いないだろうから、仕方ないか…」とも思いますけどね。

まずググれよ、と

よっぽどの専門知識でもない限り、大抵のことは、人に聞くよりもググったほうが早く解決すると思います。
なんとなく人づてに紹介された「詳しい人」に訊ねるよりも、新しくて、詳細で、大量の情報を得られる可能性が高いのですよ。

ホントはそういうの、たいていの人は分かってると思うんですよね。
でも、どういうワードを組み合わせてググれば、欲しい情報にたどり着くのかわからない人っているんですよ。

その人たちが求めている「詳しい人」というのは「代わりにググってくれる人」なのだろうと思うのです。

僕は何十年も「パソコンで仕事をする人」だったので、ググりながら作業を進めることには慣れています。

そう、慣れるものなのですよ。

だから「パソコン詳しくない人」にも、ググって欲しいのです。
ググりグセをつけると、だんだんと検索することが億劫ではなくなるし、求める情報にたどり着く確率が上がるのですよ。

そして、簡単に「詳しい人」って他人に紹介して欲しくないのです。
だって結局は「詳しくない人」の代わりに調べてあげるための時間を取られるだけなのですから。

たとえば仕事仲間や、一緒にコミュニケーションを取り続けている人と、ある事柄や用語に関する認識に齟齬があることに気づいた場合なんかは、その人の代わりにググって「オレ、こういう認識でこの用語を使ってるんだけど…」ということ、たまにはあります。

何が何でも、他人のために何かを調べる時間を取られるのが不快だ、というワケではないのですよ。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。