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長時間電話のあとのモヤモヤ感

2020.04.22

こんにちは、萩ドットライフ()です。

基本的に「電話嫌い」を表明しているのですが、それでもごく限られた人々とは定期的に長時間にわたって電話で話し続けることがあるのです。居酒屋で互いに好き勝手なことを言い合うような感じと似ていて、あまり大した内容は残らないものなのですよ。

オッサンだって、長時間電話するのです

むかしは、電話は個人のものではなくて、家族と共有のものでした。
しかも子機とかなくて、壁からコードで繋がってる本体だけしかありませんでした。

コードをギリギリまで引っ張って少しでも人気(ひとけ)のないところに移動させたり、場合によっては100円玉を複数枚持って公衆電話を探して回ったりしながら、友人や恋人との長電話を楽しんだ世代の人っていますよね。

僕は50代半ばのオッサンなので、まさにその世代なのですよ。
両親から「いったい何時間電話してるんだ」などという小言をもらったことも何度もあります。

その頃は「たぶんオッサンになったら、長電話なんてすることもなくなるんだろうな」と思っていました。

実際、そのとおりでした。年齢とともにだんだんと電話を使うことそのものが、億劫になっていったんですよね。
加齢以外にも、メールとかメッセージとかの非同期コミュニケーションできるツールが出てきましたしね。
(参考:とうとう電話が鳴らなくなった

ただ、何にでも例外というものはあるもので、着信を確認しつつ「あ、これは長電話になるな」と覚悟した上で応じる人も何人かいます。

仕事関係者だったり、プライベートだったり、友達でもなんでもないけど、ときどき電話かけてくる人だったり、人数は極めて限定的ですが、いろんなバリエーションがあるのです。

今こうして、外出自粛を要請されていることと無関係ではないのでしょうが、ここのところそれが何回か続いているのです。

まあ僕がオッサンですから、電話をしてくる人も似たような世代のオッサン・オバサンなのですが、当然「ヒマだから電話してみた」とか「久々に声を聞きたくて」なんて切り込み方はしてきませんよね。

それなりに「新しい事業考えてるんだけど、どう思う?」とか「リモートワーク中のスケジュール管理、どうしてる?」みたいな、一応「会話すべきことがあったので、電話した」という体(てい)で電話をかけてくるのですよ。

まあ、半分本当だろうし、半分は暇つぶしだと思いますけどね。

長い人は、2時間3時間、平気で喋り続けますからね…。
「よくそれだけしゃべれるな」というよりも「よく長時間スマホを同じ位置にキープし続けられるな」と。

たぶん、ヘッドセットとか使ってるんでしょうけどね。
僕は手持ちなので、苦痛で苦痛で。

アイデアは雑談から生まれるというけれど…

それでも、僕が長電話を許容している人は、それなりに話題や知識の引き出しの多い人々なのですよ。
だから会話の内容そのものに関しては、さほど嫌な気はしていません。

最初に先方が持ち出した「聞きたかったこと」なんて、ものの3分で終了して、あとは延々と雑談とか頭の体操を続けることになるのですよね。

よく「いいアイデアって、会議の中では出ずに、その後に行った居酒屋とかで盛り上がった中で生まれるんだよね」みたいなことを言うことがありますよね。
これに関しては是でも非でも、どちらでもないのですが、会議室よりも居酒屋のほうが楽しいことは確かですね。

雑談をしてるほうが、実現可能性とか収支とかを度外視して、とにかく楽しそうなことにフォーカスしながらガヤガヤと話を進められますからね。

他人の話に、ノリでどんどんアイデアを被せていっても、座が楽しいと、あまり気を悪くする人もいないし。

長電話って、そんな調子でずっと盛り上がってる感じなんですよね。

で、電話を切った後。居酒屋からの帰りのタクシーの中でもそうなんですが「あれっ。結局何の話をしたんだっけ?」ってなることが多いんですよ。

盛り上がるだけ盛り上がって、最後は「ありがとう、いろいろ考えてみますわ」みたいな感じで終わっちゃってるんですよね。

それで、その後しばらくは蚊帳の外に置かれてて、ひと月経ったくらいに、また似たような話題で電話がかかってきたりするのですよ。

「こないだのあれ、どうなった?」に対する返答が「あれ? それ前回にも言ったぞ」「何も進んでないじゃん」みたいな感じだったりすることも多かったりしますよね。

たぶん、自分の考えを僕に話しつつ頭を整理することが快適なんでしょうね。
僕も、それに付き合って楽しい人としか長電話しませんから、構わないっちゃあ構わないんですけどね。

結局、壁打ちなんですよね…

結局、通話を終えた後に「あの話、途中で別の話題にすり替わっちゃって最後まで話し切ってないぞ」とか「もっといいこと思いついた。こちらから電話すべきか…」とか「オレ勘違いしてた。ウソ教えちゃったな」みたいなことを山盛り思いついてしまうのですよ。

たとえば電話中に「返済据置5年で、無金利無担保のローンが政策金融公庫にあるよ。混んでるらしいけどね」みたいな話をしてて、電話を切った後にちょっと心配になってググってみると、内容違ってた、と。

で、「さっきの話ウソだった、無金利は当初3年だけ。4年目から0.9パー」みたいなメッセージを送ったりするのですよ。

僕は「ヤベっ、ウソ伝えちゃった。訂正しなきゃ」と恐縮しちゃってますからね。

すると先方から帰ってくるメッセージが「それ何でしたっけ?」と…。

そんなもんです。

先日投稿した「二拠点生活、停止中」でも、シンガポール社長という人物を登場させながら触れましたが、彼らがやってるのは「壁打ち」なんですよね。

壁が「途中、平らじゃないところに当たって、イレギュラーバウンドさせちゃったね」って言っても、そんなことは覚えちゃいないんですよ。

壁に向かって好き放題しゃべることでスッキリして、なんとなく頭が整理された気になれば、それで満足なのですよ。

先方が言うことを真面目に受け止めながら、ひとつひとつ丁寧に返してるつもりの僕としては若干のモヤモヤは感じますが、少なくとも僕に電話をしてくる人々は僕を不快にさせない程度の技術は持っているようです。

こういう時期ですから、またしばらくしたら電話が鳴って「こりゃ長時間になるな」と覚悟をしながら応じることになるんでしょうね。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。