え。また横文字(=カタカナ語)っすか
2020.05.08
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。政府からの発表だったり、ビジネスの現場でのやりとりだったり、至るところで横文字(=カタカナ語)が、これでもかってくらい氾濫していて、すごく気になりますよね。でも最近は「たぶん、これでいいんだろうな」って思うようになっているのです。
スマート・ライフが提言されました
コロナ感染拡大を防ぐために政府専門家会議から、2020年5月4日に新しい生活様式として「スマート・ライフ」という提言があったようです。
このブログを書いている2020年5月8日現在「スマートライフ」でググってっみても、電力会社の電気料金プランとか、NTTドコモのアプリやサービスを紹介するページが上位に表示されます…。
「ん? なんかどっかで聞いたことある言葉だな」って感じしますもんね。
どうやら内容は、
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省
のことを言ってるようですね。
詳細に関しては、厚労省の資料をご覧いただくとして、気になるのは「なんで『スマート・ライフ』って言いかえる? 『新しい生活様式』のままじゃダメだったの?」ってことなんですよね。
これ以外にも、ちょっとした新しい出来事が起こるたびに、次々と新しい横文字が登場しますよね。
当然「いちいち、横文字にすんな」という批判は常にあるのですが、それでも、そんな批判などまったく意に介さぬ様子です。
今回の新型コロナ騒動でも、ちょっと思いつくだけで「テレワーク」「ロックダウン」「オンライン会議」「クラスタ」「オーバーシュート」…。
before コロナから存在していたものも含まれていますが、なんだか日常的に見聞きする横文字が追加されたような気がしますよね。
横文字っていうか、カタカナ語ですかね。
前述のように「いちいち横文字にすんな」の方もおらられば「本来の英語では、そういう意味で使われていない」派の方も必ずワラワラと登場されていて、まあ評判はよくありません。
そうそう。余談ですが、僕はずっとこのブログで「リモートワーク」という横文字(=カタカナ語)を使っていました。
もちろん「『テレワーク』派の人もいるなあ」とは感じてたのですが、なんとなく僕の中では「リモートワーク」の方がしっくりくるので、これを使っていたのですが、今回の新型コロナ騒動で、みんなが「テレワーク」を使うので、「リモートワーク」派の僕はマイノリティになっちゃった感がありますね。
(※この件、過去に投稿した「リモートワークは、孤独で自由です」でもちょっと触れてます)
ま、どっちでもいいんですけどね。
で、試しに「テレワーク+リモートワーク」でググってみたら「働き方の呼称を解説!「テレワーク」と「リモートワーク」の違いとは? | TELEWORKERS」なんてページを見つけたりして「え! 意味違うの?」とちょっと戸惑ったりもしています。
この辺は、またいつか自分でもまとめてみようかな? と思っています。
話を戻します。
新しく登場してくる「もの」や「考え方」「しくみ」に、いちいち横文字(=カタカナ語)の名称を付けることに関してですが、僕はもともと「日本語でいいじゃん」派ではあったのです。
もう横文字のままでいいよ
たぶん、外国語のままからやってきたものを後からいちいち日本語に変えるのって、却ってわかりにくくなったり、追いつかなかったりするんでしょうね。
各メーカーが、それぞれ独自の呼称をつけ始めたりして、さらにややこしくなったりしますしね。
特に、インターネット登場以来、目にする用語すべてが横文字になりましたよね。
僕がWebデザイナーを生業にしていたので、そういう機会が多かっただけなのかもしれませんけどね。
実は横文字で憶えてたほうが、ネット上で英文の資料に行き当たったときに、なんとなく意味が通じたりするもんなんですよ。
たとえば、CSS(Webページのスタイルを指定するための言語です)について書かれた英語のドキュメントがあるとすると、英語の先生よりも、僕のほうが書いてあることの内容がより理解できるはずなのです。
中には、もともと日本語で憶えてたものですら、今は英語で言ってたりしますからね。
たとえば「文字詰め → カーニング」「文字送り → トラッキング」とかね。
いつの間にか「うん、もう横文字のままでいいよ」ってものだらけになっちゃってますよね。
今回のコロナ禍でよく使われている「クラスタ」って用語。「感染者集団」って意味ですね。
これ以前から「集団」「群れ」みたいな感じで使われていましたよね。ビジネス用語なんですかね? 「DIYクラスタ」っていえば、DIYに興味がある人々のことを指す感じ。
中東あたりで戦争が起こると、盛んに「クラスタ爆弾」って用語を見聞きするようになりますしね。
横文字だって日本語と同じように文脈によって意味が変わってくるんですね。
いちいち説明が必要な用語ですね。
もともとは「房(ふさ)、群れ、集団」という意味を持つ英語なんですね。
clusterとは
主な意味:房(ふさ)、群れ、集団
出典:clusterの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書(2020年5月8日現在)
「テレワーク」は日本語にするなら何でしょ。「時間と場所の制約を受けない働き方」みたいな感じでしょうかね?
こんなに長ったらしいのならば、「テレワーク」って用語のまま使ったほうがいいですね。
オーバーシュートは「感染爆発」、ロックダウンは「都市封鎖」、オンライン会議は…。「オンライン会議」のままのほうが良さそうですね。
ものによっては「ほらね。日本語に直したほうが分かりやすいじゃん」ってものもあって、一概に「もう横文字のままでいいよ」ってわけでもなさそうですね。
「また横文字っすか」で、いいのです
コロナ感染拡大を防ぐためのお話をしているとき、「スマート・ライフって、何すか?」って聞いてくる人と「新しい生活様式って、何すか?」って聞いてくる人、たぶん前者のほうが多くありませんかね?
なんとなく、横文字が登場したほうが「え、どういう意味?」って訊ねる(=話を止める)きっかけになりません?
僕の感想でしかありませんが、みなさんどうでしょ?
日本語の「新しい」「生活」「様式」って、平易なことばで耳から入ってきちゃうと、理解できてるつもりで流しちゃうような感じがするんですよね、引っ掛かりがなくて。
逆に説明する側からしても「いま申しましたスマート・ライフというのは…」と、用語解説のタイミングを作りやすいような気がするのです。
「聞き慣れない方もおられますよね?」という丁寧さをアピールしやすいというか、「ちゃんと定義付けておきたい用語なのです」と注意を促しやすいというか、何かの説明をするときのちょっとしたリズムを作るのに、横文字(=カタカナ語)って有効だと思うのです。
「クラスタ。小規模な感染者集団のことを指すのですが…」みたいに説明中で重複させても違和感がないので、聞く人の印象に残りやすかったりしますよね。
おそらくこういうところが、新しい用語を横文字で使う効能だと思うのです。
とはいえ、文字で起こしてみると「ほとんどカタカナじゃねえか。何言ってんだ、こいつ」ってなるほどに、とくにビジネス界隈では横文字が氾濫しすぎているのも事実ですよね、クソですね。
そんなのは、ほとんどが「へぇ」って雰囲気で流しておけばいい場合の方が多いのです。
しかし、今回の新型コロナ禍のように、
- 「この用語、僕たちあなたたちの生活に関係がありますよ」
- 「聞き慣れない言葉かもしれないけれども、ちゃんと理解しましょ」
- 「そのために、用語解説を混ぜつつ話を進めますね」
という場面では、「え。また横文字(=カタカナ語)っすか」という違和感を与えることで、引っかかりを作り、用語説明をする機会を作ることをしやすいのです。
当然ちゃんとした日本語の中に、意図的に横文字を混ぜることが前提になりますけどね。
だから、これでいいのです。
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