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フリーランスが法人化する意味って?

2020.05.13

こんにちは、萩ドットライフ()です。

会社ってなんなんでしょうね。僕はずっとフリーランスのデザイナーとしてメシを食ってきていましたが、法人化もしていたのですよ。もう20年以上経っています。今さらながら「フリーランスが法人化する意味ってあったっけ?」などと考えているのです。

なんで法人化したんだっけ?

今さらながらなのではありますが「なんで、法人化しちゃったんだっけな」と考えることがあります。

この前の3月で22回目の決算を迎え、いま税理士にいろんな決算数字を投げて、申告書の制作と申告業務を以来しているところです。

法人といっても、僕ひとりしかいないのです。

だから、毎朝「おはようございます」と挨拶をすることもないし、「お先に失礼します」と業務を終了することもありません。

その上、僕はいま(ほぼ)無職です。
無職だから、法人をポケットマネーで経営しているのです。

以前投稿した『「無職」って言っちゃうとウソになる。でも言いたいのです』で書いたように、まだ若干の仕事は請けているので、完全なる無職じゃありません。

セミリタイア中だし、セミ無職だし、セミ経営者なんですね。
それらの「セミ」の部分が、僕の日常的な居場所なのです。

僕がフリーランスになったのは20年以上前ですが、どういうわけだか、

  • 独立する
  • フリーランスになる
  • 会社を設立する

をセットで考えていたのですよ。
(参考:フリーランスになったころの失敗を記して、平成時代を後にしよう

その当時、書店に行くとやけに「小さな会社の作り方」とか「有限会社の作り方」みたいな本が目について、そうれっぽい本を複数買っていました。

僕に独立願望があったからということもあるのでしょうが、社会的にも「起業ブーム」みたいなのはあったように感じていました。

たぶん「税制上有利になる」とか「社会的信用がある」みたいなことも見聞きして、その気になってたんでしょうね。

今から考えると、そんなのどうでもよくって、1年の間に個人の確定申告と、法人の決算を両方ともしなければならないのが、メンド臭くてしかたありませんでした。

法人化すると全員が確定申告と決算がダブルでやってくるってことではありません。
僕の場合、役員報酬以外にもいろいろあったからそんなことになってるだけなんですけどね。

僕の場合は、あまり法人化の意味ありませんでした

法人の所有者でありながら、経営者でもあるのに、僕にはほとんどその認識がありません。
せいぜい、決算のときだったり、税金や社会保険料を納付するときだったり、官公庁から調査的なものの協力を要請されるときくらいのもんでしょうかね。

経営者として、戦略めいたものを考えたことはいっさいありません。

それよりも、デザイナーとしてのチームの一員意識のほうがずっと強かったですね。
僕のことを「社長」って呼ぶ人は、関係性ができていない人だけですね。

ほら「社長様おられますか」っていう営業電話かかってくるじゃないですか。
あの意味の「社長」意外に、「社長」と呼ばれたことはありません。

20年以上も法人を所有していると「このままでいいのかな?」と思ったことは何度もあります。

このままじゃない状態を二つ考えていて、ひとつは「個人成りしたほうがシンプルでいいんじゃない?」ということ、もうひとつは「もうちょっと会社っぽくしようかな」です。

前者は、今まで通りで単純に法人を休眠させて、個人名義で開業手続きするだけなので簡単っちゃあ簡単なのです。現に、一時期は不動産業の開業手続きしてましたしね。

ただなんとなく「休眠させるための手続きしよう」って踏ん切りをつけるタイミングを失い続けて今に至ってるだけなようにも思います。

後者「もうちょっと会社っぽく」に関しては、組織を作るとか、若い人を育てるとか、デザイン以外の機能を付加するといったことなのですが、ただ僕自身が「作る人」「育てる人」に、ならなくてはいけなくて、「デザインする人」と同じくらいの真剣さを求められるんだろうな、と考えたら「ん〜。ちょっと無理かな、やめとこう」という結論に至らざるをえないのですよね。

考えては「やっぱダメだ」という結論に至ったこと、1度や2度ではありません。

何度か繰り返すと、最初っから「どうせ『ダメ』って結論になるんだけどね」と分かっていながら、妄想しながら暇つぶしをするってこともありましたね。

だから「フリーランスが法人化する理由」なんてタイトルで書きはじめてしまいましたが「ひとりで好きなことやって食ってるんなら、法人化する必要ってないんじゃないかな?」というのが、20年以上、法人経営してみたオッサンの結論です。

最初は、個人事業でのスタートがいいんじゃない?

ただ、ここに来て「法人化しといてちょっと得したな」という出来事もありました。
例の「持続化給付金」ってヤツです。

これ、個人事業主ならば100万円、法人ならば200万円が上限なんですね。
僕は法人なので、200万円で申請することができています。

以前投稿した『「無職」って言っちゃうとウソになる。でも言いたいのです』でも書いたように、去年の秋くらいにセミ無職になっているのですが、そのタイミングで「メンド臭いから、このタイミングで個人成りしちゃおうかな」ということも考えていたのですよ。

ただですね。持続化給付金を100万円多くもらえるからと言って「得」かというと、そうとも限らないのです。
これまでに決算ごとに支払った税理士報酬の方が巨額ですからね…。

税制面ではどうでしょ? ちょっとは得したのかな?
調べると、個人よりも税率が低いのはわかるんですが、その分コストもかかりますからね…。

あまり、実感はありません。

「なんで、法人化しちゃったんだっけな」に話を戻すと、結局、周りの言説に惑わされて「そういうもんだ」って思い込んじゃってたんですよね。

いまの僕が、あの頃の開業当時に戻るとするならば、まずは個人で開業しますかね。
それで、収益が増えてきたあたりで、いろいろ調べたり専門家に相談したりして、メンド臭さを引き受けても有利だと判断できるようになったころに、法人成りを考えると思います。

売上なくて、まともに生活できないのに、決算数字の整理だけはしなくちゃならなくて(これは、個人事業の確定申告でも同じか…)、そこそこの報酬を税理士に支払わなきゃいけないって、結構心折れましたよ…。

そうそう、決算でも確定申告でも、最近は会計ソフト使って、個人で申告してる人、多いんでしょうかね?
僕これ、どこかのタイミングで挑戦してみたいと思ってるんですよね。

◆ ◆ ◆

昨日、年下の経営者から電話がかかってきて、長々と経営についての相談を受けたので、今日はこんなことをネタにしてみました。

電話で話に応えてる最中ずっと「オレ、会社の経営なんてまったくのシロートだよ」と思っていたし、何度かそう口にしたんですけどね…。

外出自粛継続中なので、きっと先方もヒマだったんでしょうね。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。