follow hagi.life

偉そうにする人になれない。良くも悪くも

2020.05.20

こんにちは、萩ドットライフ()です。

どっかしらに「オレみたいなもんが」という自己否定感が染み付いていて、然るべき場面で「偉そうにする人」になりきれないのですよ。いたたまれなさのあまり、不要に卑屈な態度を取って笑いを取ろうとしたりね…。この辺り、なかなか難しいですよね。

オッサンが謙(へりくだ)り過ぎるの、ちょっとキツいですよね

別に、ふんぞり返るとか、威張り散らすとか、他人を見下すような態度を取る、などということではなくて、正しく偉そうにしなければならない場面というのもあるような気がするのです。

たとえば僕は今、50代半ばのオッサンですから、仕事上で組まれたメンバーの中で最年長のことがほとんどでした。
「でした」というのは、現在無職になっていますので、ほんの数年前の現役時代の自分をイメージしながら書いているからです。

そうするとどうしても「どうぞどうぞ、上座に座ってくださいよ」とか「グラスはこちらの方から」とか「カラーの資料あるんだったら、それお渡しして」みたいな、ちょっとした気の使われ方をする場面に出くわすのですよ。

どうも、それが苦手なのです。

ちょっと大袈裟気味な言い方をすれば、僕自身が「お客さん」「ゲスト」であったとしても、なんとなく居心地の悪さを感じでしまうのです。

フリーランス生活が長いために、謙遜を通り越して卑屈な態度が身についているのか、何なのか…。
自分を下に置いてもらったほうが、のびのびできる感じがするのですよね。

常時、「そんな立派な肘掛け付きの椅子なんかじゃなくて、あそこにある座面の丸いスツールで十分です」みたいな気分なのです。

たぶん態度にも現れているんじゃないかと思います。

「もてなすのが彼らの仕事なのだから、じっくりと楽しもう」という鷹揚な感じになることができないのです。

反面「このままではマズいぞ」という気持ちもあります。

というのはときどき、というかオッサンになるにつれて頻繁に「正しく偉そうに振る舞う人」に出会う機会が増えるからなのですよ。

なんと言いましょうか、ひとかけらのケレン味もなく、ごく自然に偉そうにすることが板についてる人なんて、ワンサカといるのですよ。

そういう方々の振る舞いを「カッコいいものだなあ」と羨ましく思いながら、僕は僕で「あ、そんな立派なグラスじゃなくて、キティちゃんのマグカップとかでいいです」などと考えているのです。

実際、口に出したこともあります。
周囲が無理に笑ってる空気を感じて、反省する羽目になりました…。

ちゃんと偉そうにする人、カッコいい

こういうのって「分(ぶん)」みたいなもんなんでしょうね。

僕も頭では理解しているのですよ。

偉そうにすべき人が、ちゃんと偉そうな感じを出すことで、そこにいる人たちの雰囲気が良くなるし、ちょっと好感も高まるような場面ってあるんですよね。

僕程度の平凡なオッサンにも、期せずしてその役割が回ってくることもあるのです。

そんな場面で「私なんて、そんな役割に値しません。紙コップと発泡酒をください。あ、手酌でやります」なんて態度を取ってしまったら、周囲はシラケるしむしろ不快感を与えてしまうと思うのですよね。

そういうときには、少々無理をしてでも、しっかりと「偉そうな人」として振る舞うべきなのです。

たぶんそれが板につくことなんて、一生なかろうとは思いますが「意識だけはしておこうかな」くらいのことは思うのです。

その辺りが、僕に与えられた分(ぶん)なのでしょう。

ちゃんと偉そうにする人の態度って、冒頭で書いたような、

  • ふんぞり返る
  • 威張り散らす
  • 他人を見下す

などとは、正反対のように感じますよね。

その人が持っている雰囲気とか、所作だったり、表情、目の配せ方だったり。とういうのがちゃんと「偉そうな立ち振舞い」として仕上がってるものなのですよ。

むしろ、全然ふんぞり返ってないし、威張らないし、他人を尊重しつつ「偉そう」なのですよね。
「偉そう」が「好感」に繋がっているのですよ。

分相応が一番なのです

だからこそ「偉そう」を勘違いして、他人に威圧的な振る舞いをしたり、他人に自分の要求を飲ませることに執心する人に出会うと、こちらまで恥ずかしくなってしまいます。

こういうのを「共感性羞恥」って言うらしいとネット上で見かけたのですが「この言葉は、こういう意味です」っていう上手いページが見当たらなかったので、リンクは貼りません。
関心のある方はググってみてください。

単純な嫌悪ではなくて、恥ずかしさを抱くということは、実は僕の中にもそういう欲求のタネがあるということなのでしょうね…。僕は勝手に、そういう解釈をしています。

「一歩間違うと、オレもこういう態度取っちゃうかもな。クッソ恥ずかしいな」と…。

こうして「偉そう」について書いてきましたが、そもそも「偉そう」って、あまりポジティブな意味では使われない言葉ですよね。

「偉そうにすんな」とか「なんかあいつ、偉そうなんだよな」と、気に入らない人に向かって悪口として使う言葉なのですよ。

僕も若い頃からずっと「偉そう」にしてはいけないものだと思い続けてきましたし、相手を攻撃するために「偉そうにするんじゃねえ」みたいなことを言ったことも、たぶんあります。

でも、こうしてオッサンになって「そりゃそうと…」と、考え直してみると、もともと「偉そう」って、特に悪い意味を含んでいる言葉ではないはずなのですよね。

偉そう
読み方:えらそう
偉く(えらく)見えること。または、批判的な意味で必要以上に威張っていること。
出典:「偉そう(えらそう)」の意味や使い方 Weblio辞書(2020年5月20日現在)

どうやら「必要以上に威張ってる」と、批判的な意味で使われてしまうようです。
「偉そうにすんな」は「(偉くないクセに)偉そうにすんな」ということなのでしょうね。

分相応であれば「偉そう」であっても「偉そうにすんな」とは言われないし、誰も思わないのですよ。
むしろ「偉そうで、カッコいいね」というところに収まるのだろうと思います。

そうなると「貫禄あるねえ」とか「オーラが違うね」みたいに、違う言葉に言い換えられちゃいそうですね。

結局は、分相応が一番で、上振れも下振れも良くないってことなのだろうと思います。
それが一番むつかしいんですけどね。

こういうのも、どっかしらで訓練の必要な分野なのかもですね。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。