リタイアしたら「がんばる」の意味が変わったかも

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ヨシ、がんばろう

ときどき「ヨシ、がんばろう」って思っています。

すでに無職になってるし、別に何かのスキルアップを目指しているわけではないのですが、それでも意味もなくそう思うことがあるのですよ。

たとえば、こないだ運転免許の学科試験を受けに行ったときもそうだし、8月の猛暑の中の引越しのときだって、朝ランにでかけるときも、掃除や部屋の片付けをするときも「ヨシ、がんばろう」と思うのです。

別にそんなこと思わなくても、同じ結果を得ることはできるはずなんですけどね。
自分に対する合いの手みたいなもんなんでしょうかね。

僕はもう、自分の好きな速度で歩いていくことにしているし、身の丈に収まることの中から楽しそうなものを選んで生きていくことに決めているのです。
たぶんこの考えはこれから先も変わることはなかろうと思っています。

でも「ヨシ、がんばろう」と思ったら、その瞬間だけ歩く速度は高速化できるし、身の丈は巨大化できるような気がするのですよ。
ほんのちょっとだけですけどね。

その感覚が楽しいのだと思います。
だからときどき「ヨシ、がんばろう」と思うのです。

そう思うのは、後から「がんばるんじゃなかった」と後悔しないものに対してだけです。
朝ランにしても部屋の掃除にしても、あとで必ず「がんばってヨカッタ」を得られますからね。

運動部員だった学生時代とも、フリーランスのデザイナーだった職業人時代ともちょっと違う意味で「がんばる」を考え始めているような気がしています。

そのときどきで、それなりの「がんばる」に対する解釈は持っていたんですけどね。
全然がんばらなくてもいい状態になったにも関わらず、折に付け「ヨシ、がんばろう」なんて思ってることに気づいて、なんか変な感じになっているのです。

何気ない暮らしぶりを継続したいのです

メンタルを病んでる人に対して「がんばれ」は禁句だと聞きます。
僕が若かりしころ、バブル前後だったでしょうかね？　「がんばる」ことはカッコ悪いことだという風潮もありました。

長年にわたって「上へ上へ」とがんばり尽くしてきた職業人やアスリートに「がんばれ」と声がけしても「これ以上、いったい何を…」という反発しか返って来ないでしょう。

いつの間にか他人に投げかけるときには、ちょっと躊躇してしまうような言葉になってしまいましたね。

でも、自分で思って自分に対して使うぶんには構わないでしょう。
自分がホントにダメなときには「がんばろう」なんて思えなくなってるでしょうからね。

なんか、そう思うことで暮らしの中にリズムを作ってるような気がするのです。

何に対しての「がんばろう」なのかを考えてみると、いまの何気ない暮らしぶりを続けようといているのだろうと思います。
「何気ない暮らしぶり」なんて、とくに何もしなくても継続できそうなものですが、これがなかなかがんばりを要するのですよ。

僕はどんどん老いていって健康を損っていくでしょうし、もともと古い家はどんどん老朽化が進むでしょう。
いま暮らしている街も高齢化が進み、住民サービスもインフラもどんどん劣化していくはずなのです。

今の感じを続けるって大変なことなのです。

職業人時代に「いつも変わらず腕が立つねえ」と言ってもらうためには「今のまま」じゃダメで「ほんのちょっと上向き」ではじめてそう評価されるんだ、なんてことを聞いたこともありすまし、誰かにエラそうに言ったこともあります。

ずっと仕事を一緒にやっていくうちに、お客さんも目が肥えるし、時代もどんどん変わっていくから自分もそれにフィットしていく努力が必要なんだみたいな理由でしたかね。

それに近いことを考えているような気がします。

どうにかなることは、あきらめたくありませんよね

いまこうしてブログ記事を書いていることも、「がんばる」のうちのひとつですね。
朝起きて思う「ヨシ、書くか」は「ヨシ、がんばろう」と同義ですからね。

朝ランに出かけるときの「ヨシ、走りに行こう」もそうなのですが、終わった後に充実感を得られるし、その積み重ねが僕にとって良い影響を及ぼしてくれることに対してのみ「がんばる」ことにしています。

実は、1日中ソファやベッドに寝転んでYouTubeを観たりSNSのタイムラインを眺めたりしつつ、お腹が空いたら何かを食べ、昼間からお酒を飲むような生活が始まることも、ちょっと予測しているのですよ。

そっちのほうが楽ですもんね。

「ヨシ、がんばろう」は、それに抗うための合言葉なのです。

僕はそんな生活をしたくないのですよ。
できるだけ長く自分でものごとを考えたいし、自分の足で歩いていろんなところに行って、いろんなものを観たいのです。
「なるようにしかならないよ」なんて思いたくないのです。

そのほうが人生が楽しいと信じているからなのですね。
たぶん今の僕にとって「がんばる」っていうのは、「あきらめの気持ちを持たない」ってくらいの意味合いなんでしょうね。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。