他人の言葉を、都合よく解釈する人
2021.03.25
こんにちは、萩ドットライフ(
)です。やっかいだなあと感じる人に「他人の言葉を、都合よく解釈する人」がいます。いちばん最初の場面で「あなたの勘違いだ」とピシッと正せばいいのでしょうが、どうしても「なに言ってるんだよぉ」くらいの感じで軽くあしらおうとしがちなんですよね。
仕事回してくれるって、言ったじゃないですか
「あの話、どうなりましたでしょうか? 私に仕事回してくれるって言ったじゃないですか」
見出し通りの台詞なのですが、実際に言われたことがあります。
記憶を遡ってみても、僕はその人に「仕事を回すよ」なんて言ったこと1度もないのです。
「もしかして酔っ払って…」などとも思ったのですが、そんなことあろうはずもないのです。
「そんなこと言ってないはずなんですが。どういうことです?」と遠回しに訊ねると、僕は彼に「頑張ってくださいね」と言ったというのです。
はい。それは覚えていますよ。
その方は、僕と同じように、グラフィックデザインをからWebデザインに軸足を移すことを考えられていた方だったのです。
「頑張ってくださいね」という、激励の過程で「僕の場合はこうしました」「こういう方と出会いました」みたいなことをお伝えしながら、生意気にもアドバイスめいたことを言っていたことも覚えています。
その過程で、僕が「仕事を回す」と言ったとその方は認識しているのですよ。
それは絶対にありえないことなんです。
だってそのときに関わっていたすべての仕事の枠組み、いっさい僕にキャスティング権なんてありゃしないんですもん。
冗談でも「回しますよ」なんて言うわけがないのです。
考えられるとすれば「一緒の現場でお仕事できるといいですね」くらいのことは言った可能性があるくらいでしょうかね。
「強豪校からスカウトされた」って人、いません?
よくお酒を飲みながら「僕、高校時代サッカー部だったんです」「あ、僕は中学校まで野球部」みたいな話ってしがちですよね。
そんな話をしていると「僕、◯◯高校からスカウトされたことあるんです」みたいな話をする人も少なからずおられますよね。
n=ひと桁程度の僕調べで恐縮ですが、多くの場合、スカウト(=勧誘)じゃなくて、激励だったりするんですよね。
僕も、すべての勧誘パターンを知ってるわけじゃありませんから断定はできませんが、周囲の実際に勧誘「した/された」人々の話を聞くと、多くの場合、監督同士だったり親を交えるものだという印象があるのですよ。
ところが「昔スカウトされたことがある」な方々のお話を聞いていると、◯◯高校でプレーしてた人が自分の中学校のOBで、休みの日に練習に参加してきたときに「お前も◯◯高に来いよ、一緒にプレーしようぜ」って言われたみたいな話だったりするんですよね。
別のストーリーだと、地元の中学生を集めた練習会に名門大学チームの監督と選手がやってきて「センスあるねえ。その調子で頑張って将来はうちに来てね」って言われたなんて話もきいたことがあります。
心の中で思いますよね。「それスカウトじゃないよ。激励とか、鼓舞とか、そっち方面の話だよ」と。
僕は「世の中には、こんな嘘つきがいます」と言いたいわけではないのです。
コミュニケーションとはかくも難しいものなのです。
当然、時間の経過も加わっているので、事実関係も自分の都合よく改変されているでしょうし、勘違いであっても「これってスカウト?」と感じた嬉しさって思い出としてのインパクトが大きいんですよね。
中学生だったり、高校生だったりの子供時代の話ですしね。
とくに罪のあるものではないのです。
その人「そういう人」なんです
ただ「昔、スカウトされた」な人と、「仕事回してくれるって言ったじゃないですか」な人、往々にして同じ人である確率が高いように感じています。
まったくの悪意なく、話を自分の都合のいいように解釈してしまう人っているのです。
冒頭の「仕事を回して」に関しては、先回りして「僕からお仕事を振ることなんてできませんけどね、応援はしていますよ」と釘を差していれば良かったのかもしれませんが、いちいちそんなこと言いませんもんね。
あとになって考えると、最初の「こいつ、何言ってるんだ?」の場面で「そんなこと言ってない」と、遠回しにではなく直接的な言葉で制止するべきだったのです。
何度かそんなことがあって「この人、他人の言葉を、都合よく解釈する人なんだ」と気づいてからは、それとなく警戒はしてますけどね。
こういう人って、一事が万事だったりするんですよね。
「あれ? オレそんなこと言ってねえぞ」が頻発するのです、周囲の人からも「そういう意図じゃなかんたんだけど…。困ったな」みたいな話も耳にするようになりますしね。
だから、その人が言う「誰々が、こんなことを言ってた」とか「素晴らしい人と繋がった」みたいな話も、最初っからすべてを真に受けるわけには行かなくなっちゃうんですよね。
ひいては「この人とは、ちょっと距離を取ったほうが良さそうだな」と、だんだんと疎遠になってしまいますよね。
冗談じゃ済まない場合も…
大事に至らない範囲の「他人の言葉を自分に都合よく解釈する人っているよねえ」みたいな話を綴ってみましたが、何度か洒落にならない場面にも遭遇していますし、見聞きもしています。
ある知人は、開業間もない頃に共同経営者から「知り合いが転職を考えていて、うちの会社にすごく関心を持っている」と聞かされました。
ゆくゆくは人も入れて組織を拡大することも考えてたので「そういうの嬉しいねえ、そのうちタイミングが合えばね」みたいな返事をしたそうなのです。
そこで共同経営者は「社長に採用の意思あり。面接くらいならしてやれる」と捉えました。
知人(=社長)は「(まだ、その時期じゃないよねえ)」というニュアンスを伝えたつもりらしいんですけどね…。
共同経営者の方は「社長とも話した。ぜひ来て欲しい」と、転職志望の知り合いに告げました。
ところが、その転職志望の方は「来て欲しい」を「入社して欲しい」と解釈しちゃったんですね。
共同経営者の真意は「(面接でも雑談でも)とりあえず1回来て、みんなと会ってみる?」くらいのニュアンスだったらしいんですけどね。
このへんは、知人からの又聞きだし、詳細部分をネグってるのでちょっとわかりにくい感じになってしまいますね…。スミマセン。
結果、その転職希望者は、勤めていた会社を辞めてしまったのです。
で「雇ってくれるって言ったじゃないですか」と…。
僕は知人(=社長)からの話しか聞いていないので、
- 社長の「そのうち組織を拡張しないとね」を「採用の意思あり」と解釈した共同経営者
- 共同経営者の「来て欲しい」を「入社して欲しい」と解釈した転職希望者
ふたりの「都合のいい解釈」によってもたらされた、洒落にならない話だと聞かされていますが…。
たぶん知人は「なんか話がすれ違ってないか?」と、どこかで感じてたんじゃないか、と僕は疑ってるんですよね。
「他人の言葉を、都合よく解釈する人」もやっかいだけれども「話の食い違いを訂正するタイミングをつかめないまま放置してしまう人」も問題だと思いました。
僕には後者の気(け)があるんですよね…。
冒頭の「仕事回してくれるって、言ったじゃないですか」の人、その後も何度か言ってきましたもん。
たぶん僕が「そんなこと言ってない、あなたの勘違いだ。二度と言うな」ってピシっと正さないからなんです。
「ムチャ言わないでよぉ」「オレにキャスティングする力なんてないよぉ」と、フニャフニャとかわしてたからなんですよね。
ピシッと正したせいで雰囲気悪くなって交わりが断たれることを恐れるべきではないのです、どうせ「こいつ鬱陶しいな」と思うようになって疎遠になるのですから。
ただ、問題はすでに金が絡んでる場合ですよねえ…。
生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。